トム・フォードがBFCの功労賞を受賞　12月の授賞式に参加

　英国ファッション評議会（The British Fashion Council）が、デザイナーのトム・フォード（Tom Ford）に2024年の「功労賞（Outstanding Achievement Award）」を授与すると発表した。12月2日にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催される「パンドラ（PANDORA）」主催のファッションアワードで表彰される。

　功労賞は、キャリアを通じて革新性と創造性によってファッション業界を形づくり、再編してきた個人の貢献を称えるために創設されたBFCの優秀賞。過去には、カール・ラガーフェルド（Karl Lagerfeld）や、ヴァレンティノ・ガラヴァーニ（Valentino Garavani）、ジョルジオ・アルマーニ（Giorgio Armani）、ラルフ・ローレン（Ralph Lauren）、ミウッチャ・プラダ（Miuccia Prada）、「ヴォーグ（VOGUE）」の編集長アナ・ウィンター（Anna Wintour）などが受賞している。
　トム・フォードは1990年、「グッチ（GUCCI）」のチーフウィメンズデザイナーとしてキャリアをスタート。セクシーさとゴージャスさを打ち出したコレクションで人気を集め、一族の混沌で不振が続いていたブランドの業績を回復させた。1999年にはグッチのCEO兼会長ドメニコ・デ・ソーレ（Domenico De Sole）と共にグッチグループ（現ケリング）を設立し、「サンローラン（SAINT LAURENT）」を買収。グループの会長を務めながら2004年までグッチとサンローランのクリエイティブディレクターを兼任した。2005年に自身の名前を冠したブランド「トム フォード（TOM FORD）」を立ち上げ、2023年12月の退任までデザイナー業に専念。また映画制作も手掛けており、脚本、プロデューサー、監督を務めた2009年公開の「シングルマン」がアカデミー賞にノミネートされたほか、2016年公開の「ノクターナル・アニマルズ」では審査員大賞を獲得し、ゴールデングローブ賞やBAFTA賞、アカデミー賞にもノミネートされるなど成功を収めている。
　英国ファッション評議会の最高責任者 キャロライン・ラッシュ（Caroline Rush）は今回の授与について、「ファッション、映画、文化への並外れた貢献に対してトム・フォードに功績賞を授与できることを大変嬉しく思います。彼は先見の明を持って30年以上にわたり、グッチをファッション界の大手企業に変貌させ、ロンドンにデザインスタジオを設立しながら自身の名を冠したブランドを立ち上げて成功を収め、映画監督としても受賞歴を持つなど、携わったあらゆる分野で常に限界を押し広げてきました。彼は真の革新者であり、ファッションアイコンです」とコメントを発表した。