リアルCGムービー『トランスフォーマー/ONE』のトークイベント第2弾が立川シネマシティで開催され、蜘蛛型トランスフォーマー、エアラクニッド役の柚木涼香とトランスフォーマーを知り尽くす日本語吹替版音響監督・岩浪美和が登壇した。
シリーズ初めて“変形能力”が備わっていないころのオプティマスプライムとメガトロンの若き姿が描かれる本作。待望の公開を迎えると、アメリカ最大の映画レビューサイトRotten Tomatoesのオーディエンススコア(一般鑑賞者)でも98%とシリーズ最高となる驚異的な作品評価を獲得するなど、世界が熱狂中だ。
先週、池袋グランドシネマサンシャインにて行われた大ヒット記念トークイベントに2人で登場した際にも、ファンにはたまらない裏話満載のトークを繰り広げていたが、この度、大好評を博したトークイベントの第2弾が「立川でも宇宙を一つに!極上爆音上映」として開催。
岩浪が音響監修し最高級の音にこだわった、ここでしか体感できない本編バージョンは爆音上映で知られる立川シネマシティ自慢の機材と環境の魅力を余すことなく活かし、トランスフォーマーたちの活躍を世界最高レベルで見せつけるための極意が語られた。
多くのトランスフォーマー、ひいては「ビーストウォーズ」ファンが一堂に会した劇場内に岩浪と柚木が軽快に登場。過日の池袋でのイベントに足を運んでいた観客も多くいたようで「池袋のときと同じ話はできないね」と笑いつつ、「こんばんは、木村昴です!」と岩浪が言うと、柚木も「吉岡里帆です!」と息の合ったやりとりで挨拶し、笑いを誘った。
柚木といえば、ファンにとっては「ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー」でのブラックウィドウが印象的なキャラクターの1つだが、今回の『トランスフォーマー/ONE』においても、電光石火のごとき素早さで戦闘を繰り広げる蜘蛛型トランスフォーマー・エアラクニッド役を演じる。
キャスティングした岩浪は、柚木を「ビーストウォーズ」で起用した当時、「秘密兵器みたいな枠だった」とふり返っており、柚木も「岩浪さんのおかげですね。トランスフォーマーがなければ私は今どうしてただろう」としみじみ。
しかし、柚木にとって“声優無法地帯”とまで称され、カルト的人気を誇った「ビーストウォーズ」でのアフレコ収録は楽しくも過酷なときも多々あったようで、「(岩浪監督からの演出が)『テストと同じこと言わないでね〜!』とか『はい、面白い事言ってね〜!』とか難易度高いときもありました……(笑)とふり返りつつも「でも、今は大好きです」とコメントする場面も。
岩浪作品の常連声優として信頼の厚い柚木は、直近のシリーズ作品では『トランスフォーマー/ビースト覚醒』にも出演。オプティマスプライムたちと戦う敵対キャラクター・ナイトバードを演じている。
「柚木さんは皆勤に近いくらいトランスフォーマー作品に出ていて、蜘蛛のおねえさんはだいたいやってるよね。でも、ビースト覚醒のときは違った」と振ると、「ナイトバード役ですね。蜘蛛以外のキャラクターだったからお話頂いたときは本当に嬉しかったです!……でも、あのキャラクター、最後に爆死したんですよね。今後のシリーズにもう出られないじゃん!ってちょっと残念でした(笑)」と名残惜しそうな表情を見せた。
ここで岩浪は『ビースト覚醒』について、「『ビースト覚醒』は、意外にビースト成分が少ない作品だったんだよね。でも、たとえば『ビーストウォーズ』で山口勝平さんが演じたラットルがいたら、あの世界観にデカいネズミがでてきたらバランス悪いよなって確かに思ったりもした(笑)。吹き替え版には“ビースト成分”を入れるために飛田展男さんやチョーさんに出て頂いた」と明かす。
柚木も思い入れがあったようで「高木渉さんが演じるチーターは、ちゃんと語尾に『じゃん』って言ってて嬉しかった!」と言うと、「本来、外画の吹替は厳しいんだけど、(チーター)そこだけは許してもらった。日本語版つくるのは結構大変なんだよ」と打ち明け、岩浪のこだわりと粋な遊び心が見えるエピソードも。
本作『トランスフォーマー/ONE』では、若きオプティマスプライムとメガトロンの知られざる関係性が描かれるが、岩浪は2人のキャラクターイメージについて、“うだつの上がらない奴らが成り上がっていく”感じのセリフ回しを目指したという。「英語だと一つの単語に色んな意味がある。だから一言のセリフでもじっくり考えるんですよ。一言のセリフで丸一日考え込むこともある」と演出の妙を吐露。
「オプティマスとメガトロンが変化していく前半と後半の塩梅は中村悠一さん、木村昴さんと結構相談した。もっとヤンチャに……とかかなり細かい調整をね。だから、日本語吹き替え版の方がすんなりストーリーが入ってくるんじゃないかなと思います」と語った。
その後も2人のトークはノンストップで進みイベント終了間際に。自身でも劇場へ足を運んだという柚木は本作を「女性でも、トランスフォーマーシリーズ初心者でも楽しめる。ONE、わたしも気に入ってます! 最低2回はみてほしい!」と熱弁。
岩浪は「5回以上観てる方も結構いらっしゃるようでありがとうございます。この作品、もっともっと楽しんでいただきたいですね。君たちは友だち!宇宙を一つに!」と最後に挨拶を述べて、トークセッションは終了した。
『トランスフォーマー/ONE』は全国にて公開中。
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(シネマカフェ編集部)