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情報通信研究機構(NICT)は10月9日、大規模な太陽フレアの発生とコロナガスの地球方向への放出を確認したとして注意喚起した。10日深夜から数日間、人工衛星の障害やGPSの誤差拡大といった影響が出る可能性がある。
9日の午前10時56分、太陽面の中央付近に位置していた「13848」と呼ばれる黒点群でX1.8の太陽フレアが発生した。太陽フレアの規模を示す“クラス”の中で最も規模が大きいXクラスに分類される。
1日に発生したX7.1や、3日のX9.0の太陽フレアに比べると規模は小さいものの、今回は地球方向へ噴出したコロナガスが「けっこう大きい」(NICT)。
コロナガスが地球に到達すると地磁気嵐が発生し、その影響で地球周辺を飛ぶ人工衛星やGPSを用いた高精度測位、短波通信などに障害が発生するおそれがある。NICTは「宇宙システムの利用には注意が必要」としている。
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2017年9月に発生した大規模太陽フレアでは、GPSの誤差が普段の3倍ほどになった時間帯があった。また22年2月には、地磁気嵐の影響で米SpaceXが「Starlink」衛星を40基以上失ったという。
この時、Starlink衛星が落ちた原因は、磁気嵐に伴う電流で大気が過熱され、下層の濃い大気が上昇。低高度の大気密度が増加し、その高さにいた人工衛星と大気の摩擦が増大したためとみられている。
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