9日の衆院解散を巡り、野党各党は自民党派閥の裏金事件を受けた「裏金隠し解散」「党利党略解散」などと名付け、一斉に批判した。石破茂首相(自民党総裁)は「日本創生解散だ」と主張。衆院選に向け、与野党の対決ムードは一気に高まった。
立憲民主党の野田佳彦代表は党会合で「間違いなく裏金隠し解散。とっとと早く選挙してみそぎを終えたい、その一点に尽きる」と非難し、衆院選で迎え撃つ決意を示した。共産党の田村智子委員長は記者会見で「論戦を回避した党利党略解散」と指摘。国民民主党の玉木雄一郎代表は「不明朗なカネを使って選挙を戦おうとしている」とけん制し、「裏金使い解散」と呼んだ。
日本維新の会の馬場伸幸代表は党首討論で、首相が持論を次々に封印したとして「猫の目解散」と表現。「くるくるくるくるとリーダーである総理総裁の言うことが変わるという解散ではないか」と皮肉った。
首相は会見で、「日本の社会の在り方を根本から変えていく。そのための取り組みに国民の信任を賜りたい」と説明した。ある閣僚は「政治への信頼回復に向けた出直し解散」と述べ、公明党の西田実仁幹事長は「徹底した政治改革解散」と語った。