石破茂首相は10日未明、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席するため、ラオスの首都ビエンチャンに向け、政府専用機で羽田空港を出発した。首相就任後初めての外国訪問で本格的な外交デビューの場となる。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力を強化したい考え。中国の李強首相、韓国の尹錫悦大統領と10日午後に初めて会談する。
首相は9日夜、首相官邸で記者団に「日本とASEANの信頼関係を一層強化したい」と述べ、安全保障分野などでの協力進展を目指す考えを表明。持論のアジア版NATO(北大西洋条約機構)に関し「自民党内でも議論が煮詰まっていない段階だ。議論をこちらから提起するつもりはない」と語った。
10日は日ASEAN、ASEANプラス3(日中韓)の首脳会議、11日は東アジアサミット(EAS)に出席する。アジアで脱炭素化を進める日本主導のアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会合も開く。
日中首脳会談では日本人男児刺殺事件を踏まえた在留邦人の安全確保、日本産水産物の輸入禁止措置緩和の着実な推進などを求める。日韓首脳会談ではシャトル外交継続を確認する見込みだ。