女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「恋愛」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2020年10月28日 記事は取材時の状況)
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よく聞く離婚の理由のひとつに、金銭感覚の違いがあります。夫婦までいかなくても、恋人が同棲すると、お金に対する態度への違和感から破局することもあるようです。
そんな経験をした女性に話を聞いてみました。
◆半年で同棲が終わった理由はお金
同棲していた彼との別れを振り返るのは、都内で働くマイさん(29歳・仮名)。
当時「とにかく大好きだった」と語るその彼との出会いは合コンで、アプローチも、同棲の提案もマイさんからでした。
大好きな彼と一緒に暮らし始めた頃は、幸せすぎるあまりふと涙がでるなんてこともあるほどだったそうですが、ふたりの同棲生活はわずか半年足らずで終わりを迎えてしまいました。その理由を尋ねると、「お金に対する考え方の違いがあった」とマイさんは答えました。
「まず前提として、私は彼の前で少食のふりをしてたんですよ。本当は食べるの大好きで、いつもたくさん食べるんですけど……もう彼のことが大好きすぎて嫌われたくなかったので、外食に行くとだいたい半分食べて『お腹いっぱい』とか言ってたんです。で、それを彼に食べてもらうっていう。女の子っぽいじゃないですか(笑)」
◆彼の方から「俺が食べてあげるから」でもワリカン
物心ついたときから、一貫して“ぽっちゃり体型”だったというマイさん。食事を半分も残すことは通常ではあり得ないことだったとか。
「ただ、食事の後のデザートとか、お茶しに行ってケーキを食べるときとか、家でアイスを食べるときとか……そういうのは、彼の前であっても普通に全部食べるんです。
一般的に、『甘いものは別腹』っていうじゃないですか。細い子だってスイーツはよく食べてるイメージがあったし、甘いものなら可愛いかな? って思っていたので」
それで……と、マイさんは続けて、
「同棲を始めてから、外食に行くと、私がまだ食べ始めたばかりなのにも関わらず、彼の方からこう言ってくるようになったんです。
『そんなに食べれないでしょ。食べれない分俺が食べてあげるから』って。
それってちょっと違うな、と思ったんですけど、もっと違和感あったのはお会計で、彼は私の分も含めて軽く1.5人前食べてるのに、その分多く出すとかしないんです。私から『食べて』って言ってるときは気にならなかったんだけど……」
◆彼からのプレゼントは毎回お菓子
家で彼と食事をするときは、自分の分は少なめに――そんなマイさんを見ている彼なので、外食時の料理の量がマイさんにとって多すぎると感じることに違和感はありません。しかし、マイさんの気持ちとしては複雑なものがあったよう。自分を可愛く見せるための少食アピールが、次第に彼への不満を募らせるきっかけとなってしまったのでした。
「思い返すと、彼からもらうプレゼントって毎回お菓子だったんですよ。私は、彼の好きなブランドの財布とか、彼が欲しがってたちょっといいヘッドフォンを贈ったりしてたんですけど、彼からは毎回、ちょっといいお菓子。
なんかこれも、モヤモヤしましたね。もちろん、プレゼントは金額じゃないですけど、さすがに金額の差が大きすぎるというか……」
彼としては、てっきりマイさんが甘いものが好きだと思い、よかれと思って贈っていたのかもしれません。そもそも、少食のフリをしたことから全ては始まっているような気もしますが。
◆「あんなに食べたのにまだ食べたかったの?」
そんなある日のデートでのこと。彼と夕食を食べに行ったレストランで、マイさんは思い切って料理をすべて平らげることにしました。とはいえ、量はいたってふつう。デザートを食べ始めたところで、彼からは「よくそんなに食べられるね」と想定外の発言が……。
「全然多くないし、これくらいみんな食べてるわ! って感じでした。まるで私が大食いかのような言い方で、すごく不愉快でしたね」
帰宅後、お風呂に入ったマイさんが湯上がりに冷たいものを飲もうと冷蔵庫を開けると、そこにあったはずのプリンがなくなっていたことに気づきます。一緒に食べようと彼が買ってきたもので、一人一個ずつあったはずでしたが……その両方がなくなっていました。
「プリンも別におごりじゃなくて、私の分のお金はちゃんと徴収されたんですよ。それもあって彼に訊いてみたら、『賞味期限ヤバかったから食べといたよ』って有り得ないですよ」
まったく悪びれない彼の、「あんなに食べたのにまだ食べたかったの?」「カロリー計算とかしないの?」という発言に、ついにマイさんの不満は爆発。一気に険悪なムードになり、まもなく別れてしまったのだそう。
その後、悔しい気持ちをダイエットにぶつけ、かなり体重を落とすことに成功。コンプレックスをひとつ手放して、とても楽になったと言うマイさんは、今では新しい恋人の前で食事を楽しめるようになり、お金のこともきちんと話し合えるようになったそうです。
<文/森田 奈々 イラスト/zzz>