去年9月、東京・豊島区のアパートで87歳の母親の首を絞めて殺害したとして殺人の罪に問われた61歳の息子に対し、東京地裁は懲役3年の実刑判決を言い渡しました。
渋川勝敏被告（61）は去年9月、豊島区の自宅アパートで同居していた母親（87）の首を両手と電気コードで締めて殺害した罪に問われています。
渋川被告はこれまでの裁判で起訴内容を認め、「母親には認知症の症状がないにもかかわらず、『将来、介護が必要となったら自分にはできない』と考えて殺害した」などと説明していました。
きょうの判決で東京地裁は「母親は介護が必要な状態ではなく、被告の生活の面倒をみており、実の息子に突如、命を奪われた無念さは計り知れない」と指摘し、渋川被告に懲役3年の実刑判決を言い渡しました。検察側の求刑は懲役6年でしたが、判決は「被告は中等度のうつ病などの影響で心神耗弱の状態だった」とし、「犯行の意思決定に対する非難の程度は相当程度低下する」としました。
判決の言い渡し後、裁判長は渋川被告に対し、「重要なのは（刑務所を出た）その後の長い人生です」「社会の中で周りの人の助けを借りながら生活し、お母さんのことを忘れないようにしてください」「一生をかけて罪を償ってほしい」と語りかけました。渋川被告は「はい」と小さな声で答えました。
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