コンビニエンスストア大手3社の2024年8月中間連結決算は、ローソン(東京)とファミリーマート(同)が増益を確保した。両社は物価高に苦しむ消費者に向けたプライベートブランド(PB)商品の増量キャンペーンなどが奏功した。一方、最大手のセブン&アイ・ホールディングスは割高なイメージが客離れを招いて大幅減益と、明暗が分かれた。
11日に発表したローソンは、売上高に当たる営業収益と利益がいずれも中間決算として過去最高を更新した。販促効果や宅配サービスの強化で、客数と客単価がともに伸びた。ファミマはPBの衣料品や食品が売れたほか、中国事業の再編に伴う特別利益を計上し、純利益は前年同期の約2倍に膨らんだ。
苦戦を強いられたセブン&アイは10日の決算発表に合わせ、不振の祖業イトーヨーカ堂を含むスーパーや外食事業などを早期に分離すると宣言した。コンビニ事業に集中して企業価値の向上を急ぎ、カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールから受けた約7兆円の買収提案に対抗するためだ。
だが、肝心のコンビニの業績は国内外ともに落ち込んだ。セブン&アイの井阪隆一社長は「業績がこれだけ悪いのは客の期待に応えられていないからだ。変化に対応する力が弱っている」と反省の弁を述べた。9月から低価格商品を拡充して挽回を狙うが、不安が拭えない。