FIA F3は10月11日、2025年から2027年までの3シーズンにおいて同シリーズに参戦する10チームを発表した。既存9チームに加え、新たにFIA F2に参戦中のダムス・ルーカスオイルがFIA F3へ参戦することが明らかにされた。
2025年から2027年までの3シーズンについても各チームは3台の車両をエントリーし、FIA F3は計30台によるシリーズ戦が繰り広げられる。
新たにFIA F3参入を果たすダムス・ルーカスオイルは、ジャン-ポール・ドリオと元F1ドライバーのルネ・アルヌーが設立したフランスのレーシングチームだ。1989年よりF1直下の国際F3000選手権に参戦を開始。以降国際F3000/GP2/FIA F2を主戦場とし、31の国際タイトル、15のシリーズで通算173勝を飾ってきた。
2019年8月にジャン-ポール・ドリオが鬼籍に入ると、その息子のオリビエとグレゴリーがチーム運営を引き継ぐことになったが、2022年2月に元F1ドライバーのシャルル・ピックがダムスを買収。同年4月にはフォーミュラE部門であったe.ダムスをニッサンに売却し、創業者亡きあとはFIA F2に注力するかたちとなっていた。
なお、ダムス時代の2016年と2017年にはFIA F3の前身であるGP3に参戦していたが、わずか2シーズンで撤退していた。ただ、2024年シーズンをもってイェンツァー・モータースポーツがFIA F3参戦を終了したことに伴い、ダムス・ルーカスオイルがふたたびFIA F2直下のカテゴリーに復帰する機会を得ることになった。
チームオーナーのピックは「来シーズンから3年間、FIA F3チームとして参戦することが決まった。すでにFIA F2に参戦している我々にとって、これは理にかなったステップであり、この新たなの試みによって、若手ドライバーをFIA F3プログラムからFIA F2チームへと育成することができるようになる」と、コメント。
「最初の1年の主な目標は、FIA F2同様に競争力のあるマシンを開発することだ。新車の登場とともに選手権をスタートさせることは、これまで培ってきたノウハウを再び活用できる素晴らしいタイミングだ。実績のあるエンジニアと優秀なメカニックを擁する経験豊富なテクニカルチームを編成したため、これからのシーズン、FIA F3で強力なパフォーマンスを発揮し、上位争いに加われると確信している」
そしてFIA F3プロモーターのブルーノ・ミシェルCEOは「次の3年サイクルでは、既存の9チームを維持した。彼らのプロフェッショナリズムと専門知識は、モータースポーツの最高峰を目指す若いドライバーたちに最高の準備を保証するものだ」とコメント。
「そして、10チームによるグリッドを完成させるために、我々はダムス・ルーカスオイルを選出した。ダムス・ルーカスオイルのことはFIA F2からよく知っている。彼らの血統とパフォーマンスのレベルが、FIA F3フィールドでも見られるようになる」
また、ミシェルは2024年シーズンをもってFIA F3を撤退したイェンツァー・モータースポーツに感謝を伝えた。
「最後に、アンドレアス・イェンツァーとイェンツァー・モータースポーツの皆さんへ、この場を借りてFIA F3創設以来の献身に感謝したい。彼らは選手権に足跡を残してきた。我々は新たな挑戦に注力するという彼らの決断を心から尊重する」
■2025年〜2027年FIA F3選手権参戦チーム
チームライセンスAIXレーシングドイツARTグランプリフランスカンポス・レーシングスペインダムス・ルーカスオイルフランスハイテックGPイギリスMPモータースポーツオランダプレマ・レーシングイタリアロダン・モータースポーツニュージーランドトライデントイタリアファン・アメルスフォールト・レーシングオランダ