女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「婚活」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2023年5月20日 記事は取材時の状況)
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恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。
これまで1000人以上の「出会いがない男女」の相談に乗ってきた筆者ですが、かつては髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”。「人は変われる」を自ら実践し、多くの方々の「もったいないところ」をご指摘してきた経験から、誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
◆たくさん会えばいつか運命の人に出会える?
「運命の人」「ご縁」「相性」という概念に振り回されてしまいがちな女性は多いものです。いろんな人に会えば自分と相性がよいピッタリの運命の人に出会えると、どこかで思い込んで婚活をスタートするのです。
もちろん相性というものが存在しないわけではありません。例えばお酒を飲むのが嫌いな人もいれば、飲みたい人もいます。お酒が好きかどうかは“相性”の一つなのではないでしょうか。
しかし人と話すときに、ニコニコして相手が言ったことにリアクションをとったり深掘りして会話を広げる人と、表情が乏しく「そうなんですね」と薄い反応だけの人がいたらどうでしょう。みなさん、前者を選びませんか?
◆あなたには「ご縁がない」のではなく「ニーズがない」
男女の出会いの場では「ニーズがない個性」と「ニーズがある個性」がありますが、いまいちそこが分かっていない人が多いです。そして発展しない出会いを「縁がなかった」で片づけてしまうのです。誰でも、自分にニーズがないと思うよりご縁がないと思った方が、メンタルの安定も保てますよね。
でも運命の人という概念の犠牲者って、振り回されてしまって自分と向き合えなくなる女性たちじゃないかと思うことがあります。
38歳の裕子さん(仮名/メーカー経理)は、一度も交際経験がありません。婚活歴は休会期間も含めて含めて4年目です。
◆交際経験ゼロ、38歳女性のカン違い
30代前半のころは、まだ女友達にも相談できました。好きになれそうにない男性とデートをして疲れても、友人は「合わなかっただけだよ。好きになれる、合う人がいるよ」と言ってくれます。そうかもと思ってどんどん会ってみるものの、好きになれる人と出会えません。
やがてそのご友人は結婚して出産してライフステージが変わり、婚活相談がしにくくなってしまったそうです。このままでは40代になりそうだと思い、ご相談にやってきました。
裕子さんは結婚相談所で婚活をしていました。今も学さん(仮名)という、42歳で交通機関に勤める男性とデート中です。2回目のデートを予定しているそうですが、次に会ったらお断りしようと思っているとか。
なぜ学さんではだめなのか、理由を聞いてみました。
◆初デートが、相手の“観察”で終わっている
「たくさん質問してくれて話しやすい方なのかなとは思ったけど、共通点は何もないんですよね。暑がりなのに釣りが好きで、真夏でも釣りに行くらしいです。あちらはシフト休みっぽくてお休みも会いにくそうですし。次も会う予定はあるんですけど、なんか面倒くさそうに思っている感じがして」
裕子さんと話していると、“○○そう”とか、“○○な感じがした”、“○○っぽい”という言葉がよく出てきました。
「シフト休みかどうかとか、土日の休みがどれぐらいあるかって、お相手に確認しましたか?」
「確認はしてないです。GWが忙しかったって言ってたので、シフト休みで土日は休めないのかなと思いました」
「もしかしたらそうかもしれないけど、質問して確認しましょうよ。裕子さんは何か質問したんですか?」
聞くと、この日質問は一つしかしていませんでした。
「先にあちらが着いて待っていてくださったので、何分ぐらい待っていましたかって質問しました。あとは特に質問してないです」
「観察だけで終わってるじゃん! コミュニケーションとれてないよ」
裕子さんは相手に対して思ったことがあっても確認せず、相手を観察していただけ。振り返ると、相手にばかり質問させていたのでした。
このままでは、彼女の望むご縁は遠のくばかり。そこで裕子さんと話して、次のデートの作戦を立てました。
◆ 婚活女性が覚えておきたい「基本の質問4つ」
まずは学さんに、前回たくさん質問してくれたお礼を。そして、以下の4つを質問してみることにしました。
・好きな食べ物と苦手な食べ物
・出やすいエリア
・シフト休みかどうか
・仕事が終わる時間帯
お付き合い前のデートでは、食事デートが多いのです。好きな食べ物や出やすいエリア、仕事が終わる時間帯が分かればデートの約束もしやすくなります。
また、コミュニケーションが得意じゃなくても、聞きやすくそして答えやすい質問です。
◆4つの質問をしてみた結果は
お見合い後にメッセージの返信も遅くてやる気がなさそうに感じた学さんでしたが、2回目のデート中は楽しそうでした。そして、次に仕事帰りに食事する約束をして解散したそうです。お休みについて聞くと土日も休めるらしく、完全に休みが合わないわけではありませんでした。
「私のコミュニケーション不足で、自己完結して終わっていたんですね」
「そうですよ。向こうも複数の女性と会っているので、裕子さんのことは『リアクション薄くて自分に興味なさそうだな』って感じてたかもしれませんよ」
「肝に銘じます」
裕子さんはそれからも、初対面の相手には出やすいエリア、食べ物の好き嫌い、お休み、仕事が終わる時間帯を、自分から質問するようにしてもらいました。
◆積極的にならないと、誰と会っても楽しめない
裕子さんは自分で自分のことを「男性が苦手で、会うと疲れてしまいやすいタイプ」だと思っていました。そのため、婚活歴が4年と長いわりには、会っている人数があまり多くありません。
でも自分から質問するようにしたら、男性と会っても疲れなくなったそうです。
「積極的にならないと、楽しめないんだなと気づきました」
以前はどの男性と会っても楽しめず、苦痛な時間を過ごしていたのが、ある程度は男性と会話のキャッチボールが成立するようになったのです。自分から質問していくことで、職場が遠すぎてデートしにくい人や、会話が盛り上がりにくい人にも、初対面で気が付けるようになります。
例の学さんからは、4回目のデートで結婚を前提にした交際を申し込まれました。婚活をしていても、4回続けて会える人はなかなかいません。
でも裕子さんはどうしても引っかかることがあって、その場で返事をせずに解散してしまいました。
◆交際経験ゼロって引かれますか?
「私、男性と一度も付き合ったことがないんですけど、ドン引きされませんか?」
「そこが気になっていたんですね。伝えて大丈夫ですよ。びっくりはするかもしれないけど、結婚したいと考えている女性が交際経験がないことは、嫌じゃないはずです。次に会う約束してます?」
「してないです。なんて言ったらいいか分からなくて」
そこで裕子さんには、学さんとSNSで通話の約束を取り付けてもらいました。そこで、交際経験がないことを伝えたのです。
学さんはびっくりしながらも「私もそんなに経験がないですし、気にしません」と言ってくれたそうです。裕子さんはやっと安心して、お付き合いを承諾しました。
◆受け身すぎる女性に、ピンと来る人なんていない
厳しいようですが、受け身すぎる女性にピンと来る人なんていないと思ってください。
運命の人もご縁も、努力の結果です。運命の人に出会えた人が言う「ご縁ってあるから」「会った時に話が盛り上がってトントンとスムーズに結婚まで決まった」なんて話は、生存者バイアスがかかった情報だと思っておいてください。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<取材・文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt