衆院が解散されてから初めての週末となった12日、派閥裏金事件を受け、自民党非公認の無所属で衆院選に臨むことになった前議員らがそれぞれの地元で街頭演説し、「申し訳ない」とおわびを重ねた。支援者からは「まさか非公認になるとは」とため息が漏れた。
9日の解散当日に非公認となった小田原潔氏は、東京都八王子市の京王相模原線南大沢駅前で街頭演説に立った。集まった約50人を前に「本当に申し訳ない」と頭を下げ、「清潔さに磨きを掛け、有権者の信頼回復を進めていく」と強調した。支援者からは拍手とともに、「頑張れ」と声援が送られた。
同市の行政書士中村真也さん(62)は「裏金問題ばかりが前面に出ているが、経済などもっと大事なことがある。政策のぶつかり合いを見たい」と選挙での論戦を期待した。
同じく無所属で出馬することになった細田健一氏は新潟市内で街頭演説し、「大変な政治不信を引き起こしていることを心からおわびしたい」と謝罪。「反省し、党の決定を潔く受け入れる」とした上で、「今できることに集中する」と力を込めた。
演説を聞いた70代女性は「まさか非公認になるとは思っていなかった。大変だと思うが、政策を実行できるよう頑張ってほしい」と話した。
11日には福井県敦賀市で元国対委員長の高木毅氏の後援会事務所開きが行われ、130人以上が詰め掛けた。高木氏は「皆さまには心からおわびしなくてはいけない」と、神妙な面持ちで数秒間、頭を下げた。
支援者の70代男性は「周囲には厳しい意見が多くある」と裏金事件の影響を認めた上で、「今までの実績や人脈は評価できる。期待して応援するしかない」と厳しい表情だった。
後援会の事務所開きで支援を訴える元自民党国対委員長の高木毅氏=11日、福井県敦賀市