【出雲駅伝】各大学の指揮官が気にするハーバード卒最速ランナーに聞いた「エキデンに興味がある」

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2024年10月13日 20:11  日刊スポーツ

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第36回出雲全日本大学選抜駅伝 開会式で笑顔を見せるアイビーリーグ選抜のキーラン・トゥンティベイト(撮影・上山淳一)

学生3大駅伝の初戦となる出雲駅伝(出雲大社正面鳥居前〜出雲ドーム前)は14日に号砲が鳴る。開会式が行われた13日、にわかに注目を集めるランナーがいた。アイビーリーグ選抜で1区を務めるキーラン・トゥンティベイト(27)だ。


同選抜は主催者招待で出場を重ね、今年が24回目になる。米国北東部の大学の現役生、卒業生で構成され、神在月の出雲に歴史を刻んできた。今回、1区を務めるのがハーバード大卒で、現在はプロランナーとして競技に打ち込むトゥンティベイトで、5000メートルの自己ベストは13分08秒41。出場選手最速の記録を持つ。各大学の指揮官たちは「スピード駅伝」の異名もとる短い出雲路で重要な1区での戦略を練るなかで、招待選手がどんなペースを刻んでくるかを気にかけている。


本人はキャリア十分だ。タイで生まれ、8歳で米国に移住した。陸上は13歳から始めて、ハーバード大を卒業後はナイキ・バウワーマン・トラッククラブで4年目を迎えている。「練習では日本選手にも会うよ」と遠藤日向などと交流もあるという。国際大会の経験も豊富で、21年東京五輪にはタイ代表として出場し、1万メートルで22位に入っている。


来日は4回目。昨年の出雲駅伝では補員だった。当日変更なくレースを見守ったが「すごい活気のあるイベントだし、すごいパワーをもらった」と感銘を受けた。初出場が見込まれる今年は「日本の『エキデン』というカルチャーにすごい興味を持っている。すごく良い経験になるし楽しみにしています」と高揚する。調子自体は下り坂を終えて、復調傾向にあり、「明日は記録的にはベストなパフォーマンスを見せられるかどうか」としたが、日本の学生トップランナーとの競り合いが注目される。


現在の目標は25年に東京で開催される世界選手権に出場すること。「エキデン自体が米国でもポピュラーになってきている。人に力を与えることもできるし、それは自分にも返ってくる」という待ちに待った舞台で、駅伝の力を体感する。【阿部健吾】

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