ニック・イェロリーは、スパ24時間レースとニュルブルクリンク24時間での総合優勝を含むBMWでの6年間のプログラムに終止符を打ち、ドイツメーカーのファクトリードライバー・ラインアップから離脱する。
このイギリス人ドライバーは2019年にBMWとワークスドライバー契約を結び、シリーズチャンピオンを獲得した中国GT選手権を皮切りに世界各地のレースで活躍。翌2020年にはローヴェ・レーシングとともにBMW M6 GT3でニュルブルクリンク24時間レースを制した。
彼はその後レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(RLL)が運営するIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権プログラムの一員に選ばれ、コナー・デ・フィリップとコンビを組んで25号車BMW MハイブリッドV8をドライブ。自身とBMW MチームRLLにとってGTPクラスデビュー2戦目となったセブリング12時間レースで初の表彰台を獲得した。
さらにこの年の6月はワトキンス・グレン6時間でBMW MハイブリッドV8にとって記念すべきIMSA初優勝を飾り、その1週間後にはローヴェのM4 GT3をマルコ・ウィットマンとフィリップ・エングとシェアし、スパ・フランコルシャン伝統の24時間レースで総合優勝を達成している。
BMWは声明で、イェロリーが「2025年から新たな挑戦を始める」ことを選択したと述べている。33歳の彼は来シーズン、メイヤー・シャンク・レーシング(MSR)によるアキュラGTPプログラムの一員となる見込みだ。
BMW Mモータースポーツの責任者であるアンドレアス・ルースは、イェロリーのこれまでの献身に感謝している。
「ニック・イェロリーは、BMW Mモータースポーツで多くのことを成し遂げた偉大なプロフェッショナルだ。BMWファミリー全員を代表して、祝うべき理由がたくさんある、素晴らしい6年間を私たちと一緒に送ってくれた彼に感謝する」
「個人的には、ワトキンス・グレンとスパ・フランコルシャンで連勝したあの一週間をいつまでも覚えていることだろう」
「ニック・イエロリーは、メーカーがレーシングドライバーに求めるものをすべて備えている。彼は非常に才能があり、個人的なレベルでも素晴らしい人物で、いつでも信頼することができるんだ」
「だから、彼が新しい仕事でも成功すると確信している。彼の将来がうまくいくことを願っているし、世界中のレーストラックでのさらなる出会いを楽しみにしている」
BMWの広報担当者はSportscar365の取材に対し、イェロリーが来月サウジアラビアのジェッダで開催される、ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパのエンデュランス・カップ最終戦でドライバーラインアップに含まれないことを認めた。これは彼のBMWドライバーとしてのキャリアが、先週末にロード・アトランタで行われたIMSA最終戦『モチュール・プチ・ル・マン』で終了したことを意味する。
イェロリーは「BMW Mモータースポーツが僕にしてくれたすべてのことに、とても感謝している」と語った。
「彼らは2019年に、僕にワークスドライバーとしてのチャンスを最初に与えてくれた。それ以来、僕たちはともに多くの素晴らしい成功を祝った」
「僕はこの6年間、BMW Mワークスドライバーとしての時間を心から楽しんできた。BMW Mモータースポーツの今後の成功を祈っている」