梅蘭芳演じる楊貴妃
今年は、伝説の女形俳優・梅蘭芳(メイ・ランファン)の生誕130周年。現存する京劇様式の基礎を築き、中国文化を世界に広めた偉大な芸術家で、日本とも縁が深く、日中友好の懸け橋を担ってきた。生誕130年を記念して上海青年京昆劇団が初来日し、在日京劇団・新潮劇院と共演。梅蘭芳が手掛けた京劇の名作が東京・大阪の舞台でよみがえることになった。
梅蘭芳は、20世紀初頭に中国京劇界をけん引。女性役を演じる男性俳優として、その圧倒的な美しさと華やかな舞台演技で観客を魅了した。また、化粧や舞台演出に新しい技法を取り入れることで、従来の枠を超えた新しい京劇様式を創造。伝統的な京劇に革新をもたらした彼の舞台は、ただの演技ではなく、一つの芸術作品として高く評価されている。1919年には中国京劇史上初となる海外公演を日本、アメリカ、ソ連で行った。日本とも縁が深く、1924年には関東大震災の被災者支援のためのチャリティー公演を北京で実施し、その収益を日本に寄付。終戦後も日中国交回復前に交流公演を開催している。
今回の記念公演では、梅蘭芳の代表作である『覇王別姫』『貴妃酔酒』や長編としては日本初上演となる『宇宙鋒』などを上演。いずれも彼の演技スタイルが凝縮され、繊細な感情表現や華麗な舞踊が見どころだ。東京公演は、四谷区民ホール(新宿区)で10月15日(火)19時開演、演目は『天女散花』『貴妃酔酒』『宇宙鋒』。10月16日(水)18時開演、演目『牡丹亭』『覇王別姫』『宇宙鋒』。特別席1万円、S席8000円、A席(2階)6000円、学生(2階)4000円。大阪公演は、クレオ大阪東(大阪市城東区)で、10月19日(土)17時開演、演目『牡丹亭』『覇王別姫』『宇宙鋒』。特別席8000円、一般 6000円、学生3000円となっている。京劇の至高の美を体感できる絶好の機会だ。チケット購入は団体ホームページへ。
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