笑福亭鶴光、タモリと巻き起こした「なんちゃっておじさん」ブーム ラジオの“ハガキ文化”への思い「生活がわかる」【独占インタビューVol.3】

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2024年10月16日 07:00  ORICON NEWS

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笑福亭鶴光 (C)ORICON NewS inc.
 「わんばんこ!」。1970年代〜80年代にかけて『オールナイトニッポン』で全国のティーンエイジャーの夜をつややかに、そして刺激的に彩ってきた笑福亭鶴光(76)が、今年でニッポン放送パーソナリティ歴50年を迎えた。今は夕方を主戦場に、リスナーを楽しませている鶴光に独占インタビューを敢行。『オールナイトニッポン』デビューから今のラジオ界まで、縦横無尽に語ってもらった。Vol.3では、タモリと巻き起こした「なんちゃっておじさん」ブームを語ってもらった。

【貴重ショット】鶴光でおま!『オールナイトニッポン』時代の写真

 「なんちゃっておじさん」は、たまたま同じ時期にタモリさんの番組でも流行っていたんですよね。何かというと、山手線に乗っていたおじさんが車内でなんやブツブツ話していて、となりに座っていた反社会的勢力と思われる人が「うるさいぞ!」って怒鳴ったら、そのおじさんが泣き出したと。(反社会的勢力と思われる人が)バツが悪くなって降りた後に、そのおじさんが「なーんちゃって!」と顔を出した…というエピソードが元なんです。

 そういうエピソードが元やから、僕の方は「いないいないばあ」の要領で「なんちゃって!」というポーズを考えたんですが、タモリさんが違うポーズを考案していた。やけど、こっちの方が若干早く考えていたから「元祖」と銘打って、さぁどっちが本物かっていうことで、タモリさんの番組と公開で対決したんです。そうしたら、えらいもんで、リスナーは僕の方を支持してくれて、勝ちましたんや。

 それだけで終わらずに、『それでもナンチャッテおじさんはいる』というラジオドラマを作ったら、それがなんとギャラクシー賞を受賞しました(笑)。それで授賞式に行ったら、ほかに受賞している番組が沖縄での戦争を題材にしたものとか、報道寄りの番組ばかりで、そんな中で「ちょっと毛色が変わった番組が選ばれました」と、僕らの番組が紹介されました(笑)。でも、よく考えてみたら金字塔やな。

 やっぱり、『オールナイトニッポン』というのは情報の発信地やからね。始まる前に、亀渕さんに「地名だけは絶対に間違えるな。それでリスナーが離れるんだ」と言われたこともありました。リスナーとの関係でいえば『オールナイトニッポン』で名前を呼んでもらえるっていうことは、やっぱりみんなうれしいわけですよ。リクエスト曲の前に「〇〇さん、△△さん…」と名前を呼んでいくわけです。それで、曲が始まるまでにピタッと合わせるために、ストップウォッチを買わされてやね…噺家でストップウォッチを持っているのは、僕ぐらいですよ(笑)。

 あとはハガキの読み方。ハガキ文化のすごさはね、誤字脱字がいっぱいあるところです。ところがそのハガキの向こうに、その人間の生活とか、なんとなくだけど分かる。メールだとみんな賢い人だから分からない。今で言えばAIや。でもハガキは汚い字もあればきれいな字もあるでしょ。それがまた面白い。だから、ハガキ文化がなくなってきているのは、ちょっとさみしいね。『オールナイトニッポン』の時は、1日で1万通来ていたから。だから、あの時の郵政省はめちゃくちゃ儲かったんちゃう(笑)?(Vol.4に続く)

【笑福亭鶴光】
高校卒業後、1967年に6代目笑福亭松鶴に入門。1968年に初舞台を踏む。1974年にはニッポン放送の「オールナイトニッポン」、1987年から2003年までは「鶴光の噂のゴールデンアワー」でラジオパーソナリティとして人気を博す。上方落語協会・落語芸術協会の両方に籍を置き、上方落語協会に籍を置いて東京の寄席でトリを取れる唯一の落語家。10月1日からは『鶴光の噂のゴールデンリクエスト』(火〜木 後6:00)を担当している。

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  • ハガキ1枚で生活感が見える。手紙ならその人の性格まで分かるだろう。くだらないラジオを聴きながらラブレターを書いていた昭和世代はまだ熱いw
    • イイネ!10
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