令和のグリーングラスとなれ 48年ぶり快挙狙う青森産馬が菊花賞に参戦だ

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2024年10月17日 07:30  netkeiba

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青森産馬として48年ぶりの菊花賞制覇を目指すハヤテノフクノスケ(今年8月撮影、ユーザー提供:まどかさん)
 JRAの現役に18頭しかいない青森産馬のハヤテノフクノスケ(牡3、栗東・中村直也厩舎)が、菊花賞(3歳牡牝・GI・芝3000m)でGI初挑戦を果たす。

 ハヤテノフクノスケは父ウインバリアシオン、母サクラインスパイア、母の父シンボリクリスエスの血統。生産者は青森県のワールドファーム。5代母は名繁殖牝馬のスワンズウッドグローヴなので、古くは88年の日本ダービー覇者のサクラチヨノオーや同年の朝日杯3歳Sを制したサクラホクトオー、近年の活躍馬でいえばサクラトゥジュールやラッキードリームと同じ牝系の出身となる。

 ここまで8戦2勝。昨年11月の新馬(京都芝2000m)はミスタージーティーの末脚に屈して2着だったが、続く未勝利(京都芝2000m)を5馬身差で圧勝。その後は3連敗を喫したが、3走前の1勝クラス(札幌芝2000m)で待望の2勝目を手にした。昇級後も4着、2着と手堅くまとめているので、着実に力をつけていることは間違いない。

 青森産馬の菊花賞といえば、76年のグリーングラスが思い出される。皐月賞馬のトウショウボーイが単勝2.3倍の1番人気。日本ダービー馬のクライムカイザーが5.6倍で2番人気。テンポイントが13.4倍で3番人気。条件クラスを勝ったばかりで、滑り込みでゲートインが叶ったグリーングラスは71.1倍の12番人気に過ぎなかった。

 しかし競馬はやってみるまで分からない。トウショウボーイとテンポイントは好スタートを決めて先行策。この2頭を見るように、グリーングラスは内で脚をためた。2周目の3角からの坂の下りでトウショウボーイとテンポイントが外から前に出て、そのまま直線へ。多くのファンが2頭のマッチレースになると思った瞬間、最内から脚を伸ばしたのがグリーングラスだった。道悪を苦にせずに抜け出すと、外で食い下がるテンポイントを2馬身半抑えて先頭でゴール。当時29歳の安田富男騎手の好騎乗も光る一戦だった。

 あれから48年、青森産馬の活躍はめっきり減った。JRAのGI制覇は01年の阪神JFのタムロチェリーが最後。地方ではキョウエイギア、サルサディオーネなどがビッグレースを制しているが、中央では北海道組に圧倒されている。ここで「期待の星」ハヤテノフクノスケが大金星を手にすることができるか。一気の相手強化となるので楽ではないが、果敢なチャレンジに是非ともエールを送りたい。

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