【ドラフト2024】若手急成長中の日本ハムに必要なのは華 「清原ジュニア」も候補に

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2024年10月18日 17:01  webスポルティーバ

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チーム事情から見るドラフト戦略2024〜日本ハム編

 プロ野球の一大イベント、ドラフト会議が10月24日に開催される。各球団すでに指名選手をリストアップし、最終段階に入っていると思うが、チームの現状と将来を鑑み、今回のドラフトで本当に獲得すべき選手は誰なのか? 2年連続最下位から今季は2位と躍進を遂げた日本ハム。若手が急成長しつつあるなか、はたして今年のドラフトで狙う選手は?

【高校生中心の未来型ドラフト】

 昨シーズンの最下位から、リーグ2位に躍進。しかも75勝60敗8分(勝率.556)と15の貯金をつくり、ソフトバンクには13.5ゲーム差をつけられたが、対戦成績は12勝12敗1分と互角。正直、今年の日本ハムの戦いぶりには驚かされた。

 何がどう変わったのか、いったい何があったのか......本当のところは知る由もないが、選手個人のことで言えば、昨年末の現役ドラフトでソフトバンクからやってきた水谷瞬が規定打席には到達しなかったが、打率.287、9本塁打、39打点と活躍。

 さらに、6年目の捕手・田宮裕涼と3年目の水野達稀が一本立ちし、オリックスからFA加入した山崎福也が10勝を挙げるなど、プラス要素はいっぱいあった。

 また、早いもので今季7年目になる清宮幸太郎もよく頑張ったと思う(打率.300、15本塁打、51打点)。来季、清宮に求められるのが「コンスタントさ」だろう。日本ハムの試合を見に行くと、いつも清宮がサードを守り、クリーンアップを打っている......それが実現できれば、いよいよタイトル争いも見えてくるようになるはずだ。

 そんな日本ハムの近年のドラフトの成果をあらためて見てみると、中継ぎの一角を担った河野竜生(2019年1位)、若きエース・伊藤大海(2020年1位)、ロッテとのクライマックス・シリーズで好投した北山亘基(2021年8位)、先発・中継ぎで奮闘した金村尚真(2022年2位)と、大学・社会人からの人材は一軍戦力として頑張っているなかで、将来性を期待して獲得したはずの高卒組がなかなか頭角を現わしてこないのは、頭が痛いところだろう。

 先発候補、いやエース候補として英才教育を施してきた達孝太が、今季イースタンリーグの後半戦でようやくその才能を見せ始め、育成出身で今年3月に支配下登録され12試合に先発した福島蓮の台頭もあったが、この先のことを考えるとちょっと心許ない。

 現有戦力を考えたら、今年は高校生中心の「未来型ドラフト」でもいいのではないだろうか。

 器の大きさ、搭載エンジンの排気量で、今朝丸裕喜(報徳学園/投手/188センチ・80キロ/右投右打)をいきなり1位で行く手もある。今年春のセンバツでの圧倒的球威とマウンドでの支配感は高校生離れしていた。威力あるストレートと縦の変化球も一級品。夏の甲子園では大社高校に足元をすくわれ初戦で敗退したが、素材は間違いなく1位の器だ。

 今年パ・リーグ2位の日本ハムは、ウェーバーとなる2位指名は9番目になる。ここは迷いなく、もう一枚「将来型」の選手を獲っておきたい。

 今夏の栃木大会で1試合19奪三振、作新学院戦でも1失点、12奪三振の好投を見せた堀江正太郎(文星芸大付/投手/187センチ・81キロ/右投右打)でどうだ。常時140キロ台前半の速球と、高速カットボールはベース付近で勢いを増す生きた球質。強く投げようとしすぎないからゾーンも低く、実戦力の高さも頼もしい。

 もし堀江が先に指名されたら、茨木佑太(帝京長岡/投手/187センチ・92キロ/右投右打)がいる。堀江以上の雄大な体躯に、打者を観察しながら投げようとするクレバーさなど、伸びしろは大いにある。

【地元・北海道の逸材たち】

 若手選手たちがじわりじわり実力を挙げている日本ハムで、チームにほしいのは"華"かもしれない。

 8月末に行なわれた「オール東京六大学」の一員として、プロ入り前に挨拶代わりの一発をエスコンフィールドの外野スタンドに放り込んだふたりの選手を紹介したい。

 印出太一(中京大中京→早稲田大/捕手/185センチ・91キロ/右投右打)は、主将として春のリーグ戦優勝と全日本大学選手権準優勝を飾るなど、リーダーシップを発揮。捕手登録のアリエル・マルティネス、古川裕大、郡司裕也は実質"内野手"だから、田宮がレギュラーマスクを獲得し、伏見寅威、進藤勇也がいても、まだまだ手薄な捕手陣。印出は捕手だけど、本質は"バットマン"である。

 清原正吾(慶應義塾高→慶應義塾大/内野手/186センチ・90キロ/右投右打)は言わずと知れた「清原和博ジュニア」。高校時代はアメリカンフットボール部に所属し、本格的に野球を始めたのは大学に入ってから。それで「慶大の4番」を任されるんだから、天才に近い。左腕のクロスファイアーを、エスコンフィールドのレフトスタンドに持っていった時のバットコントロールはお見事のひと言。名将・堀井哲也監督の「清原、ものすごく野球がうまいですよ」を見事に裏づけてみせた。

 日本ハムと言えば、伊藤大海や根本悠楓に代表される"道産子"の指名。今年の北海道は、なかなかの人材が揃っている。

 道内一と言われる快速右腕の田中稜真(旭川実業/投手/178センチ・80キロ/右投右打)は"進学"に舵を切ったが、常時145キロのストレートで三振の山を築く澁谷純希(帯広農業/投手/181センチ・88キロ/左投左打)に、粗削りでも抜群の身体能力を誇る池田悠真(紋別/投手/185センチ・88キロ/右投右打)はプロからの指名を待つ。

 もうひとり、面白い存在の右腕が北海道の社会人にいる。村上大芽(津名→立命館大→北海道ガス/投手/180センチ・78キロ/右投右打)だ。社会人に入ってから3年間の成長カーブが著しく、25歳でもまだまだ伸び盛り。ストレートはコンスタントに145キロ前後をマークし、鋭く落下する高速フォークを両サイドに決める。今季、日本ハム躍進の一員となったリリーフ陣の一角に加われる実力ありと見ている。

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