【F1】角田裕毅が新相棒・ローソンについて語る「相手に負けたくないメンタリティは激しくなる」

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2024年10月18日 17:11  webスポルティーバ

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 シーズンはいよいよ残り6戦。ここからは8週間で、ふたつの3週連続開催6レースを戦うことになる。

 そんな最終盤に向けて、レッドブルはRBにリアム・ローソンを起用することを決めた。

 昨年もケガをしたダニエル・リカルドの代役として5戦にスポット参戦したローソンだが、今回はより明確に、角田裕毅との比較オーディションという位置づけになっている。

「状況はそれほどシンプルではないけど、基本的には自分自身のためにポイントを獲るのが、自分への評価を高めることにつながる最善策だと思う。それがランキング6位を争っているチームにとってもベストだ。

 だから、可能なかぎりポイントを獲るのが僕の目標になる。すべてはパフォーマンスをもとに評価されるし、それはこのプログラム(レッドブルジュニアチーム)に加わった17歳の時から変わっていないよ」(ローソン)

 セルジオ・ペレスの不振が続けば、契約があるとはいっても2025年のシートも危うい。その後任として誰が最適なのか、それを明確にするためにもレッドブルはここでローソンを起用し、角田と直接比較をしておきたいとしている。

 つまり、ここからの6戦はローソンにとっても、そして角田にとっても、来季のレッドブル昇格を視野に入れた戦いになる。

 しかし、角田はそれを強く意識しすぎることなく、今週末のアメリカGPに臨んでいる。なぜなら、開幕当初からリカルドと同じように接し、明確に優位性を見せてきたからだ。

「チームメイトが変わるのは僕にとって初めてのことではないですし、リアムもこのチームで走るのが初めてではないですし。正直、去年と似たような状況なので、全然普通ですね。僕は自分をインプルーブし続けるだけなので、これまでやってきたことをやり続けるだけです」(角田)

 昨年スポット参戦した5戦では、実力を証明したいローソンがチームメイトである角田に勝とうと躍起になって、チーム全体の利益を損なう場面もあった。

 今回もそういったリスクがないわけではないが、今年のRBはコンストラクターズランキング6位に位置しており、そのチャンスを失うような独りよがりのレースはチームからもレッドブルからも評価はされないだろう。

【新型フロアが機能するかがポイント】

 それだけに、角田はチーム一丸となってマシンを改善し、チーム全体でポイントを獲ってランキング6位を守りきることこそが最も大事だと考えている。

「もちろん、チームメイト同士の争いや相手に負けたくないというメンタリティは激しくなるでしょうし、本来のレースよりも少しスパイスが加わるのは確かでしょう。だけど、それは当たり前ですし、去年もそうでしたからね。

 そういう意味では、シーズン開幕からダニエルともそういうシュートアウトをやってきたことになりますし、シーズン全体がそうだったわけで、何も変わらないです。僕としてはチームのために最大限のレースをするだけ。レッドブル昇格うんぬんというのは自分にはどうすることもできないので、自分の仕事に集中するだけです」(角田)

 ここから8週間で6戦の過密スケジュールに突入するだけに、どのチームもこのアメリカGPにアップデートを投入してマシンパフォーマンスを向上させてくる。そして、これが今季最後のアップデートになるチームも少なくない。

 大接戦の中団グループにおいて、今回投入するアップデートが非常に大きな意味を持っているのは言うまでもない。

「今週末は新しいフロアが入るので、それがうまく機能してくれることを祈っています。チームとしてランキング6位を争っていますけど、ハースやウイリアムズなど多くのチームが追いついて来ているので、残り6戦でシーズン前半戦のようにコンスタントにポイントを重ねていくことがものすごく重要ですし、そのためにはマシンの改善が急務です」(角田)

 RBは第10戦スペインGPに投入したフロアが不発で、そこからの数戦をデータ収集・分析に費やして開発が停滞してしまった。そして第16戦イタリアGPに対策フロアを投入したものの、これも想定どおりの効果を発揮しなかった。

 市街地サーキットのアゼルバイジャン(第17戦)とシンガポール(第18戦)では大きな問題にはならなかったが、終盤戦のグランプリサーキットを走るうえでは対策が急務であり、つまり今回の新型フロアが機能するかどうかは非常に大きなポイントになる。

【アメリカGPは過去3年連続で入賞】

 サーキット・オブ・ジ・アメリカズは低速コーナーと高速コーナーが混在し、さらに長いストレートもある。そういう意味で、今回投入した新型フロアの評価もしっかりとできるはずだ。事前のシミュレーター作業では、ローソンがその効果をはっきりと実感したという。

「今回はハースやアルピーヌもアップデートを投入してくるでしょうし、ここはコーナーのバリエーションも多いので、アップデートパーツの評価をするには最適だと思います。ライバルと比べてシーズン末までランキング6位を維持するだけの力があるのか、それともさらにもう一歩必要なのかが見えてくると思います」(角田)

 前戦シンガポールGPでは角田が予選で奮闘しQ3に進んだが、スタートで後退して入賞はならなかった。しかし、スタート時にブレーキがややスタックした状態になっていたために発進加速が鈍かったことがわかっており、今回再発の恐れはない。

 アメリカGPは過去3年連続で入賞を果たしており、昨年は最終ラップにフレッシュタイヤを履いてファステストラップを記録する余裕も見せた。後半戦に入ってから4戦続けて入賞から遠ざかっているRBだけに、ここでしっかりとポイントを獲っておきたい。

「(入賞の)チャンスはあると思います。シンガポールGPのようにいい予選を決めて、今度はいいスタートも決めて、両レースともポイントが獲れれば最高ですけど、どちらかでも獲れれば勢いには乗れると思うので」(角田)

 今週末のローソンは今季5基目のパワーユニット投入によるペナルティ消化で後方スタートとなるため、角田との直接対決はない。そういう意味でも、ローソンはマシンとレースに慣れるための週末になり、結果を残すのは角田の仕事となる。

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