自殺した検事の遺族が国を提訴 「長時間労働、パワハラ原因」

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2024年10月18日 17:16  毎日新聞

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毎日新聞

東京地裁=東京都千代田区で2020年1月15日午前10時36分、米田堅持撮影

 広島地検公判部の男性検事(当時29歳)が2019年12月に自殺したのは、長時間労働と上司からのパワーハラスメントが原因だったとして、検事の遺族らが、国に計約1億7000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。9月17日付。


 訴状によると、検事は死亡する半年前から長時間労働を強いられ、超過勤務時間が100時間を超える月もあった。さらに、死亡の約1週間前に公判での主張書面について、当時の上司から「話にならない」「修習生以下だ」などと机を何度もたたかれながら大声でまくし立てられ、侮蔑的な叱責を受けたとしている。


 遺族側は、亡くなった検事の心身の健康を損なわないように注意する義務を国が怠ったと主張。上司による叱責は業務の適正な範囲を超えて苦痛を与える違法行為で、広島地検はパワハラを容易に認識することができたにもかかわらず、組織的なフォローをせずに放置したと訴えている。


 広島地検は「係属中の訴訟に関する事柄で、コメントは差し控える」としている。


 法務省は23年9月、検事の死亡は過重労働による公務上の災害だったと認定している。


相談窓口


・#いのちSOS


 「生きることに疲れた」などの思いを専門の相談員が受け止め、一緒に支援策を考えます。


 0120・061・338=フリーダイヤル。月・木、金曜は24時間。火・水・土・日曜は午前6時〜翌午前0時


・いのちの電話


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 0570・783・556=ナビダイヤル。午前10時〜午後10時。


 0120・783・556=フリーダイヤル。午後4時〜同9時。毎月10日は午前8時〜11日午前8時、IP電話は03-6634-7830(有料)まで。


・まもろうよ こころ(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/sns/)


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