前回の第6戦SUGOに続き、またしても天候不順に翻弄された2024年スーパーGT第7戦、オートポリス(AP)での3時間決勝は、実に4度ものセーフティカー(SC)出動という波乱のレースウイークを象徴するかのような大荒れの展開を経て、最後はセーフティカー先導スロー走行のままエンディングへ。序盤のオーバーテイクからラストスティントでも力強いペースを堅持した39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraの関口雄飛/中山雄一組が、後続の2台のニッサンZニスモGT500を抑えて今季初優勝を手にしている。
ポールシッターの24号車リアライズ松田次生は順当にホールショットを決めたものの、2番手の23号車MOTUL AUTECH千代勝正は、一旦は背後の14号車ENEOS X PRIME福住仁嶺に先行を許すことに。しかし続く2周目にはポジションを奪還、ここからZニスモGT500のワン・ツー態勢を維持していく。
一方で3号車Niterraは持ち込みタイヤと路面温度のマッチングが苦しいか、13周目には39号車DENSOの関口雄飛に。続く16周目からは100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT、続くラップで38号車KeePer CERUMO GR Supraにと立て続けにオーバーテイクを許し、ジリジリとポジションを失っていく。
レース時間40分を前にした23周目には、19号車WedsSport ADVAN GR Supraがトラブルからか白煙を上げて第1ヘアピンを直進し、グラベルにストップ。ここで最初のFCY(フルコースイエロー)が発動する。
すると最後尾にいた8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTが、無線トラブルかピットレーンクローズの場面で作業エリアに飛び込んでしまい、この時点でペナルティが確実な情勢となる(43周目に60秒のペナルティストップが宣告)。直後、コースサイドに停止した19号車の回収に時間を要するためここでセーフティカー(SC)に切り替わると、この時点で2番手にフタ桁までギャップを築いていた首位23号車のマージンは消失することに。
その後も数周おきに2台ずつの作業が続き、首位の24号車リアライズは35周目に39号車DENSO、そして選手権首位を行く36号車au TOM’S GR Supra(SW:98kg)と同時にピットへ。これに上位陣も反応し、続くラップで17号車Astemo、100号車STANLEYがピットイン。ともに作業静止時間43.7秒、44.4秒で太田格之進、山本尚貴にそれぞれドライバースイッチを行っていく。
フィニッシュまで残り1時間が近づき最後のウインドウが開くと、58周目の64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTからルーティン作業が始まり、上位勢では61周突入で首位の23号車から12号車、100号車が同時にピットへ。ここで100号車STANLEY山本のダブルスティントとした100号車は29.2秒の静止時間でふたたび平峰に乗り換わった12号車を鮮やかに出し抜いていく。
残り50分を切り68周目突入でリスタートが切られると、未消化組では37号車Deloitte TOM’S GR Supraを除く4台が一斉に義務ピットへ。続くラップで37号車の笹原右京が最後のルーティンを終えると、背後でNISMO/NMC艦隊とのバトルを繰り広げる100号車STANLEYのパックに対し、先頭の39号車DENSOがジリジリと逃げを打つ。
隊列がスロー走行のまま92周目を周回中に3時間のタイムアップを迎え、ここで荒れに荒れた週末が決着。23号車と3号車のNISMO/NMC艦隊に逆襲のチャンスは訪れず、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraが2020年第5戦富士以来となる、4年ぶりのトップチェッカーをくぐることとなった。