米Qualcommは10月22日(ハワイ時間)、モバイル向けの新型SoC(System-on-a-Chip)「Snapdragon 8 Elite」を発表した。搭載端末は、11月発売予定のRedMagic 10シリーズの他、XiaomiやHONOR、OnePlusなどから順次登場する見通しだ。
QualcommがモバイルSoCの名称を、従来の「Snapdragon 8 Gen3」のような世代名から、Snapdragon 8 Eliteという名称に変更したのは、新型SoCではモバイル向けとしては初めて「Qualcomm Oryon」を搭載したからだ。Oryonは2022年に発表された、Qualcommが独自に開発したArm命令互換の独自CPUコア。2023年のSummitでは、このCPUを搭載したPC向けの「Snapdragon X Elite」を発表した。
ピークCPU速度は4.32GHzで、Qualcommは“世界最速のモバイルCPU”と謳う。CPUパフォーマンスは45%向上、電力効率は44%向上し、“モバイル業界最大”の共有キャッシュにより、非常に高速なデータ取得を実現するという。
マルチモーダル生成AIのサポート
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音声、テキスト、画像を理解するだけでなく、カメラを通して周囲を認識し、日常的な質問や要約から高度なコンテンツ作成まで、様々なタスクを支援する。 また、1冊の書籍全体を理解して質問に答えることも可能だ。
AI搭載カメラによる写真撮影の再定義
AI ISPにより、自撮りや動画チャットなどを向上させる。AIを搭載した初の「Limitless Segmentation」は、顔、髪、衣服、物体、背景など、フレーム内のものを認識し、強化する。
「Unreal Engine」の「Nanite」サポート
Oryonとスライスアーキテクチャを採用した初のAdreno GPUにより、Epic Engineのゲームエンジン「Unreal Engine」の仮想化ジオメトリシステム「Nanite」を完全にサポートする。これにより、モバイルゲームでも映画品質の3D環境を実現できるとしている。
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AIによる統合型接続
Qualcommによると、Snapdragon 8 Eliteは、AIで強化された5GとWi-Fi 7を組み合わせた初めてのプラットフォーム。マルチギガビットを超える速度で、外出先でのゲーム、高速ダウンロード、ほぼ瞬時のデータバックアップが可能という。また、位置と測位の精度が30%向上するとしている。
Snapdragon 8 Eliteは、米ハワイ州マウイで開催の「Snapdragon Summit 2024」で発表された。イベントの基調講演の動画が公開されている。
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