iOS 18の「ライブ留守番電話」で詐欺電話が録音されていたハナシ

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2024年10月22日 17:11  ITmedia Mobile

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ライブ留守番電話が作動後に着信画面をタップすると、録音されていた内容がリアルタイムにテキストで表示される

 iOS 18では、「ライブ留守番電話」が日本語でも利用できるようになった。この機能では、電話に出られないときに、留守番電話にメッセージを録音してくれるだけでなく、その内容をリアルタイムにテキストで書き起こしてくれる。このテキストの内容は、電話アプリの「留守番電話」で後から見ることもできる。


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 初期状態でライブ留守番電話はオンになっているが、「設定」→「アプリ」→「電話」から「ライブ留守番電話」のオンとオフを切り替えられる。OS標準の機能として使えるので、キャリアの留守番電話サービス(ビジュアルボイスメール)に契約していなくても、簡易留守録として利用できるのでありがたい。


 先日、iOS 18にアップデートしたiPhone 15 Proで何げなく「電話」アプリを開いたら、留守番電話のタブにバッジ(赤いマーク)があった。メッセージが残っているようなのでタップしたところ、謎のメッセージが残されていた。文字起こしを見ると、以下の通りに記載されていた。


お繋ぎする場合は一応押してください NTTファイナンスより重要なお知らせです 現在ご利用中の電話回線にて未納料金が発生していた 法的処置へ移行いたします オペレーターへお繋ぎする場合は1を押してください…


 メッセージは24秒で途切れていたが、NTTの電話回線で料金が未納であることを伝えているようだ。冒頭の「一応押してください」は「1を押してください」の間違いだろう。音声のメッセージを再生したところ、自動音声だったことが分かった。


 ライブ留守番電話に残された記念すべき初メッセージが料金の督促だったのでドキッとしたが、この内容は明らかに怪しい。しかも掛かってきた番号は「+1」から始まる国際電話なので、なおさらだ。NTT関連のサービスでいえば、筆者はドコモを契約しているが、料金は毎月問題なく支払っている。


 「NTTファイナンス 自動応答」で検索してみたところ、NTTファイナンスの「「NTTファイナンス」をかたった不審なSMSや訪問及び自動音声による電話にご注意ください(2023年8月25日更新)」という告知を発見した。同社によると、自動音声ガイダンスでNTTファイナンスをかたり、利用中の回線を突然利用停止する旨を通知し、金銭を搾取しようとする不審な電話がかかってくる事象が発生しているという。実際にあった不審な電話の例も明記されていたが、ライブ留守番電話で録音されていた内容とよく似ており、国際電話の番号として「+1」や「+6」から掛かってくることも一致している。これは、ほぼ間違いなく詐欺電話と考えていい。


 その数日後、またもやライブ留守番電話に1件のメッセージが残されていた。入国管理局を名乗り、ある書類が期限切れになることを伝える内容で、再生すると中国語と日本語が混ざった自動応答だった。中国……書類……じつは身に覚えがあり、2023年に中国へ渡るためにビザの申請をしていた。ビザの期限切れか? とまたもやドキッとしたが、有効期限は2025年なので、このタイミングで期限が切れることはない。


 これも詐欺電話だろうと思い、「電話 入国管理局 自動応答」で検索したところ、出入国在留管理庁が、「入管を名乗る不審な電話、文書にご注意ください」という件名で注意喚起を行っていた。これまでに相談が寄せられた電話の例として、「入管職員を名乗る者から、知人の外国人が空港の入国審査で足止めされているとして、入国手数料を振り込むよう要求された」「入管を名乗る自動音声で『重要な書類を保管している』旨の案内が流れ、番号を押すよう案内された」といったもの。筆者あてに掛かってきた電話は後者に該当する。「出入国在留管理庁及びその地方官署の職員が、電話で金銭を要求することは一切ありません」とのことなので、これも詐欺電話で確定だ。


 こちらも+1の国際電話から掛かってきていた。国際電話で知らない番号から掛かってくる電話はほぼ詐欺電話と考えて間違いないので、そもそも出ることはないし、不在着信からかけ直すこともなかっただろう。それでも、最近は自動応答による詐欺電話も増えているようなので、テキストで書き起こしてくれることで、すぐに怪しい電話だと分かるのはありがたい。


 一方、OS側で迷惑電話かどうかを判定するような機能は現時点ではないようだ。Appleが開発を進めている「Apple Intelligence」が日本語に対応した際は、機械学習を利用し、迷惑電話の可能性が高い場合にアラートを飛ばすといった機能も盛り込んでほしいところだ。



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