「オオスズメバチ」に刺された2時間後、手がとんでもないことに…… 「半端ないよこの人」「これはエンタメではなく教材」と260万再生

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2024年10月22日 21:13  ねとらぼ

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ねとらぼ

刺されました、痛そう……!!

 日本最大にして、おそらく世界最強クラスのハチである「オオスズメバチ」に刺されたらどうなるか検証してみた動画がYouTubeチャンネル「平坂寛」に投稿されました。動画は記事執筆時点で260万回以上再生され、3万6000件の高評価を獲得しています。


【画像】刺されて3分後


●オオスズメバチに刺されたらどうなる?


 動画を投稿したのは、世界中を飛び回って取材をしている生物ライターの平坂寛さん。これまでも猛毒ガエルの毒液をなめてみたり、貝をも砕く怪力魚に指をかませてその破壊力を検証したりと、文字通り体を張った姿を見せてくれました。


 今回は猛毒を持つ危険なハチ「オオスズメバチ」に刺されると一体どうなってしまうのか、また刺されてしまったときはどのように対処すればいいのか、平坂さんが実際に刺されて検証・解説をしていきます。


 なお、平坂さんはこれまでの経験と専門的な知識をもとに検証しています。動画内の行動は大変危険ですので、絶対にまねしないでくださいね!


●オオスズメバチに刺されてみた


 平坂さんによるとオオスズメバチは秋に最も巣が大きくなり個体数や活動量が増えるため、秋が最も危険なシーズンとのこと。体の大きさは女王で5センチ、働きバチで4センチと非常に大きいため毒の量も多く、さらにハチの中でも特に攻撃的であることから、大変危険な種なのだそうです。


 また、花の蜜や樹液など甘いものが好物ということで、早速クヌギの木を探したところ、樹液をなめていたオオスズメバチを発見。1匹捕獲し、左手の甲を刺されてみると……おしりの先にある針がしっかりと皮膚に刺さっていることがわかります。見ているだけで痛い……!!


 十分に毒が入った後に針を抜こうとしたところ、毒針と毒腺が皮膚に残ってしまいました。切れたおしりの部分は脈動していて、体から離れてもなお毒を注入していることがわかります。50秒ほど刺してもらってから針を抜き、経過を観察することに。なお刺してくれたオオスズメバチは弔いのため、後ほど料理して食べるとのことです。


●オオスズメバチに刺された後の経過観察


 刺された部分を見ると赤紫色になり、少し血が出ています。刺されたときの痛みは「チクッ」といった感じではなく、「バチンッ」という感じで強い衝撃があったとのこと。刺されて3分ほどで症状が悪化してきて、肘まで痛みが上がってきたようです。


 痛みの感じは世界最強の猛毒魚「オニダルマオコゼ」に刺されたときに似ているとのこと。強い痛みで左手が震えはじめ、患部が腫れてきました。


 20分後。左手に赤みが出てきて、両手を比べてみると明らかに腫れてきています。すでにわきの下まで痛みが上がってきたそうで、ほかの毒がある生き物と比べてもその腫れ方と痛みの勢いは段違いとのことです。


 2時間後。手はパンパンに腫れ、倍くらいの大きさになってしまいました。患部は熱を持っていて痛みはありますが、慣れたのか痛みは気にならなくなってきたとのこと。しかし手が腫れすぎて指を曲げることも、握ることもできなくなってしまいました。


 9時間後。2時間後くらいをピークに快方に向かうかと思いきや痛みが増しており、手を握ることもできません。患部はじっとしていると脈に合わせてズキンズキンと痛み、歩いて体に小さな衝撃が走るとまた痛むようです。体がだるくて疲れやすく、発熱して体温は38.5度あるとのこと。


 17時間後。寝て起きても全く症状は変わっておらず、むしろ悪化しているようです。痛みは強くなり、体のだるさは増しているとのこと。熱は38.6度あり、痛みと時折襲ってくる強烈なかゆみであまり眠れなかったそうです。


 24時間後。恐ろしいことに、刺されて丸一日経過した今が一番しんどいようです。体が重くてだるく、熱は38.5度。しかし左手の腫れはややおさまってきたようで、指を動かすことができるようになってきました。


 30時間後。今になって重症ではないものの、気管支が腫れて息が吸いにくいという新たな症状が襲ってきました。5分くらい胃が猛烈に痛かったという症状もあわせて考えてみると、軽度のアナフィラキシーショックを起こしている可能性がありそうです。さらに手から手首の腫れは引いてきたものの、なぜか二の腕からわき、肩が腫れてきたのだとか。


 48時間後。だいぶ腫れは引いて熱も下がってきましたが、まだ熱は37.3度あるとのこと。患部周辺にはじんましんが出てきて、主な症状が痛みからかゆみにシフトしてきているそうです。


 6日後。患部の腫れが引き、ようやく見た目がほぼ元に戻りました。痛みはほぼなくなったものの、かゆみは残っているようです。また、わきになんとなく違和感があるとのこと。


 7日後。かゆみやわきの違和感なども引き、ようやく完治といえる状態に。たった1匹に刺されただけで成人男性が1週間強い症状に苦しめられるという、オオスズメバチの毒の強さや恐ろしさがよくわかる検証結果でした。


●オオスズメバチに刺されたらどうする?


 ではオオスズメバチに刺されてしまった場合は、どのように対処すればいいのでしょうか。その答えは一択、刺されてしまったら直ちに病院に行き、医師の診断と適切な処置を受けてください。


 というのも生物の毒に対する感受性には個人差があり、人によって症状が大きく異なります。子どもや体重が軽い人はもちろんのこと、体質によってはもっと重篤な症状が出てもおかしくないのです。


 またスズメバチに刺される恐れがある活動や仕事をしている場合は、アナフィラキシー症状の進行を一時的に緩和する治療薬「エピペン」を医師に処方してもらい、携行することをおすすめします。今回は使わなかったものの、平坂さんも常に携行しているそうです。


 最後に今回実験に協力してくれた、毒腺を失ったオオスズメバチを直火であぶって食べ弔うことに。食べてみるとクリスピーで中身はトロっとしていて、ほんのりナッツのような風味とうまみがあるとのこと。万人受けしそうな味ではあるものの外骨格が固く噛みつぶしきれないため、揚げた方がよかったかもしれないと語る平坂さんなのでした。


●「どうか長生きして下さいね」「本当にすごい」の声


 動画には「毒耐性が強い弱いは別にして、身をもってどうなるかリアルに検証してくれるプロですね。どうか長生きして下さいね」「刺されたリアクションではなく経過観察、報告動画に毎回感謝です」「冷静すぎて本当に痛いのか疑ってしまうくらいすごい、半端ないよこの人」といった、たくさんの応援の声が寄せられました。


 また、「この人がヤバいっていうんだからヤバいんだろうなっていう説得力がヤバい」「これはエンタメではなく教材、これからススメバチが増えてくる季節であり。知識の為に多くの日本人が見るべき動画」といったコメントも寄せられています。


 平坂さんはこの他にも「同チャンネル」とX(旧Twitter/@hirahiroro)で、他ではなかなか見られない生物に関する情報を発信しています。


画像提供:YouTubeチャンネル「平坂寛」



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