史上最多10頭のGI馬が参戦 名牝が最強を誇示した5年前の天皇賞(秋)

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2024年10月23日 07:30  netkeiba

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19年の天皇賞(秋)を制したアーモンドアイ(19年10月撮影、ユーザー提供:モエロウエクラさん)
 今年の天皇賞(秋)はGI馬6頭が参戦し豪華メンバーと言われているが、19年も負けず劣らずレース史に残る好メンバーだった。圧倒的な1番人気に応えて圧勝したアーモンドアイを筆頭に、レース史上最多となる10頭のGI勝ち馬が参戦。重賞勝ち馬は15頭にも上った。また、前年の3冠牝馬VS同年の皐月賞馬という構図でもあった。そんな5年前の一戦を振り返りたい。

 主役は単勝1.6倍の支持を受けたGI・5勝馬・アーモンドアイだった。前走の安田記念で3着に敗れ、連勝は7でストップしたが、敗因はスタート直後のアクシデントと明らか。多くのファンは絶大なる信頼を置いていた。ただ、この名牝だけが大物だったわけではなく、2番手以降にも役者は揃っていた。2番人気は皐月賞を制し、3歳最強の評価を得ていたサートゥルナーリア。以下、2年前の2歳王者のダノンプレミアム、前年の日本ダービー馬のワグネリアン、同じく大阪杯覇者のスワーヴリチャードと人気は続いた。名前を見るだけで、いかに豪華メンバーだったか、お分かりいただけるだろう。

 レースはアエロリットと戸崎圭太騎手がゆったりとしたペースを刻んだ。前半1000mは59秒0のスロー。これが誤算だったのがサーゥルナーリアだ。C.スミヨン騎手が何とか抑えようとするが、力みが取れない。対照的にアーモンドアイは先団インでスムーズな追走。その外にダノンプレミアムが付けて、ワグネリアンとスワーヴリチャードは中団で脚をためた。勝負の直線、アーモンドアイとルメール騎手はラチ沿いに進路を取った。逃げ粘るアエロリット、抜け出しを図るダノンプレミアムをかわして先頭へ。一方の後続はどうか。サートゥルナーリアは道中のロスが響いて息切れ。ゴール前で金子真人オーナー&友道厩舎の2頭、ユーキャンスマイルとワグネリアンが追い上げてきたが、時既に遅し。アーモンドアイが大接戦の2着争いを3馬身差も突き放し、危なげなく6つ目のGIタイトルを獲得したのだった。

 勝ち時計の1分56秒2は、11年の天皇賞(秋)でトーセンジョーダンが記録した1分56秒1のコースレコードに迫るもの。スローペースを考慮すれば、驚異的な時計だった。アーモンドアイが獲得した9つのGIの中では、そこまで多く語られるレースではないかもしれないが、実はとてつもなく強いレースだったことを覚えておいていただきたい。

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