「二度と行かない」トランプ氏が“アルバイト体験”の米マクドナルドに「ボイコット」の声

11月の米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ前大統領（78）が20日、米ペンシルベニア州フィラデルフィア郊外にある米ファストフード大手マクドナルドの店舗で、アルバイトを体験し、フライドポテトを揚げて接客したことを受け、ネットでマクドナルドの「ボイコット」を呼びかける声が上がっている。

赤いネクタイにエプロン姿で店員に教わりながらフライドポテトを揚げ、ドライブスルーの窓口で接客する様子がメディアに公開されて大きな反響を呼んだが、保守系メディアのワシントン・エグザミナーによると、その翌日に「マクドナルドをボイコット」というワードがグーグルの検索で大幅に増加したという。

また、SNSでも支援者らによる称賛の声だけでなく、「二度とマクドナルドに行かない」と宣言するコメントもあふれていると伝えている。

マクドナルドが大統領選の舞台に利用されたことには批判的な意見も多いが、米CNNによるとトランプ氏の訪問はフランチャイズ店の判断であり、マクドナルドは全く関与していないという。CNNによると、マクドナルドはフランチャイズモデルで運営されており、大多数の店舗が独自に所有、運営されており、本社の同意なしにトランプ氏を招待することが可能だという。

米NBCによると、ファストフード店で働く低賃金労働者は投票する傾向が低く、投票所に行く可能性が低い有権者を取り込むことが目的とみられる。米国では8人に1人がマクドナルドで働いた経験があるといい、民主党候補のハリス米副大統領も学生時代の1983年夏に短期間マクドナルドでアルバイトをしていたと明かしている。

トランプ氏は、ハリス氏の話はうそだと主張し、選挙集会でマクドナルドでアルバイト体験すると宣言していた。

トランプ氏が訪問した当日は、店舗は閉鎖され、同氏は集まった1000人を超える自身の支持者を相手に接客していたという。アルバイト体験を終えたトランプ氏は、「私はカマラより15分長くマクドナルドで働いた」「この仕事が好きだ。また戻ってきてやりたい」と話し、上機嫌だったと伝えられている。（ロサンゼルス＝千歳香奈子通信員）