群発頭痛と闘い20年…痛みと恐怖で心が折れそうになった2児のパパ、支えは“家族”「私の宝物です」

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2024年10月23日 11:30  ORICON NEWS

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群発頭痛の発作、痛みに耐えるパパおじさん
 「群発頭痛」と呼ばれる周期的に激しい痛みが起こる病気と20年間戦い続けている、パパおじさん(papaojisan2525)。その痛みは「目の奥をナイフでえぐられるよう」なもので、ひとたび発作が起きると体が強張り、激しく動き回ったり、叫び声を上げずにはいられないほど。先日、3ヵ月も続いた群発頭痛の発作期間がようやく終わったことを報告したが、その闘病生活を支えたのは「妻と2人の子どもです」と振り返る。発作の期間は「痛みが収まってからの家族との楽しい時間のことを考え、ひたすら耐えていました」と話すパパおじさんに、痛みとどのように向き合ったのか話を聞いた。

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■「死にたいと思ったことは何度もあった」 あまりの激痛でメンタル面もボロボロ状態

――群発頭痛を抱える人たちは、精神的にはどのような状態なのでしょうか?

【パパおじ】何百人も集まっている群発のLINEグループがあるのですが、みんなが全てを諦めてしまっているんです。どうにもならないし、指定難病ではないので、国からの補助があるわけでもない。群発期間中には何かをしようとも思えない。ただ、私は年を重ねていろいろ経験もしたので、今回の発作期間は、SNS活動や署名活動などを始めることにしました。

――世の中が変わるきっかけを作りたいという思いがあった?

【パパおじ】20年経っても新しい薬が出ていないですし、公的補助ももらえない状況なので…。ネットで調べたら障害年金が下りるようになったという情報が出ていたので役所に話を聞きに行ったら、「群発頭痛は無理です」と言われてしまって…。群発になると、うつ病やパニック障害を併発する人がすごく多いので、それらと併発しているとなれば、通るかもしれないという回答でした。

――なぜ「群発頭痛」単体では、補助がもらえる対象にならないのでしょうか?

【パパおじ】見た目にわからず、嘘をつけてしまうというのが1つと、発作期間には周期があって、(人により異なりますが)2〜3年空いてしまうのも、理由として大きいようです。元気なときもあるということで、難病指定にはならない。でも難病指定の病気の中には、同じように期間が空くものもあるのに…。だからこそ、指定難病へのハードルを乗り越えないと、この病気を持っている人は、痛みに耐え続けて人生を狂わされて終わるだけだと思い、動き出すことにしました。

――激痛が起ったときの心中はどういった状態なのですか?

【パパおじ】死にたいと思ったことは何度もありました。目の奥をナイフでえぐられるような痛みなどとよく言われていますが、本当にその通りで、感じたことのない痛みを1時間くらい味わうことになります。ひどいときには、1時間の発作に耐えて、2時間くらい経つと、また発作が来る。

――“自殺頭痛”という名前もつけられているほどですが、衝動的に考えてしまうこともあったのでしょうか?

【パパおじ】私の場合は、家族の支えがあったので、そうはならなかったです。家族の支えと群発期間中ではない日常が満たされていたというのもあります。耐えた後の楽しみを知っているから、耐えられたのだろうと自分では思っています。

■頭痛が終わったら、家族でハイタッチ「明るくしてくれることにものすごく救われています」

――ご家族に弱い部分をさらけ出すことに抵抗を感じる人もいると思いますが、パパおじさんの場合はいかがでしたか?

【パパおじ】私は予兆を感じたら別室に移動するか、ほぼその部屋にいるので、群発期間中は子どもとはご飯のとき以外は顔を合わせることがありません。父親として、子どもに見せたくない思いもあったので…。それでも声が聞こえてしまうことがあるようで、「ちょっと怖かった」と妻には言っていたみたいです。

――極力見せたくはないですよね。

【パパおじ】もう、発作中はなりふり構っていられないですからね。近くで「大丈夫、大丈夫」と言われると、どうしても言葉がきつくなってしまうんです。痛みに耐えながら心配されるのすらもう嫌で…。心配されたくないし、心配の声をかけられたくないというのは、この病気の方は結構みんなしんどい部分として言いますね。

――ご家族、奥様は病気に対してどういった対応をされていますか?

【パパおじ】妻とは「大丈夫?」の声掛けは絶対に無しにしようと決めています。声をかける方もしんどくなるし、かけられる方も「いいからあっちに行っといて」となってしまうだけなので。あと、頭痛のときはアイスノンをずっと頭に当てているのですが、そういうのをすぐに持って来てくれたり、こっちが何かを言ったときにはすぐに動いてくれたりもします。

――それは有り難い存在ですね。

【パパおじ】はい、それに頭痛が終わってリビングに戻ると、家族全員がすごく明るく接してくれるんです(笑)。頭痛が終わったときに「イェーイ!」って言ってくれて。妻ともハイタッチして。そういう家族とのコミュニケーションが、私の気持ちを楽にさせてくれていました。実家にいたときは、母親がすごく心配性な性格なので、ずっと「大丈夫? どうしよう、ごめんね…」と心配されて、頭を抱えている状況でした。母にそう思わせてしまうことが、私としても申し訳なかったので、こういう風にしてほしいと妻に話したら「了解!」と言ってすぐに変えてくれたことは良かったと、今振り返っても感じています。

――ご家族はパパおじさんにとってどのような存在ですか?

【パパおじ】明るくしてくれることに、ものすごく救われていました。私の大事な宝物です。本来、守るべき存在に、守られている今の現状があります。どんなに痛みが酷くてへこんだ時も、家族の存在に元気を与えてもらっていました。(発作期間は休職していたので)今は一刻も早く調子を取り戻し、バリバリ働いて支えたいです。

――「群発頭痛」という病気に対して、世間が理解を進めるためにどんなことが必要だと思いますか?

【パパおじ】まずは指定難病に認定されることが、この病気の理解を深めるためには必要です。「指定難病に認定されている病気です」というだけで聞こえ方が大きく変わる。そこを変えないとただの頭痛という認識のままなんです。指定難病になると、医療費も安くなるし、薬の開発スピードも変わると言われています。私が動いたことで何かが変わるのならそれが一番の近道だと思い、今こういった活動をさせていただいています。

――今後はSNSでどういった発信をしていきたいですか?

【パパおじ】TikTokでまずは症状を知ってもらうことが第1段階でした。そこに共感してくださった方たちと一緒に署名活動をしていくというのが第2弾で、目標は3万票で、現時点で約2780票が今集まっています。こういったことを続けていけば、病気のことを知ってもらえる機会も増えるのではないかと思っています。

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