「ルフィ」などと名乗る指示役による一連の強盗事件で実行役の“リーダー”として関与したとされる男に対し、検察側は無期懲役を求刑しました。一方、男は「無期懲役では責任を果たすことができない。極刑を下してください」と涙ながらに話しました。
永田陸人被告(23)は去年1月、東京・狛江市の住宅で90歳の女性が暴行され死亡し、腕時計などが奪われた強盗致死事件や、おととし、広島市の時計販売買取専門店で親子3人が暴行され、腕時計などが奪われた強盗殺人未遂事件など、6つの事件の実行役として起訴されています。
検察側は、「実行役のリーダー格であり、果たした役割は重大」「苛烈な暴行を加える犯罪グループになっていくことに寄与した」と指摘し、「報酬目当ての犯行動機は身勝手で酌むべき点はない」とし、永田被告に無期懲役を求刑しました。
一方の弁護側は、「被告人は自分の意思で全て行ったと主張するが、第三者から見れば指示役が被告人をわずかな報酬でつり、駒として利用したのは明らかだ」として、有期刑を求めました。
永田被告は裁判の最後、証言台に立ち、「私は自分で決めた。私の意思でやりました」と述べ、永田被告が指示役の従属的な立場だったとする弁護側の主張を否定。
|
|
また、裁判員に対して「無期懲役では、私が責任を果たすことができない」「この裁判は裁判員裁判、一般の裁判と違う点は被害者の処罰感情が反映されるものです」と声を震わせながら話し、「被害者遺族の心情のみを考えてください。極刑を下してください」と訴えました。
きょうの裁判では冒頭、狛江市の強盗致死事件で亡くなった女性の遺族が、代理人弁護士を通じて意見陳述しました。「母は何を思って死んでいったのか、考えない日はない」「母の死に際のうめき声を忘れないでほしい。極刑を希望します」と訴えました。
また、広島市の時計販売買取専門店で親子3人が暴行された強盗殺人未遂事件の被害者の意見陳述を検察官が代読しました。「息子が最も大きな犠牲となり、後遺症などで24時間の介護と見守りが必要になった」と事件後の生活について語り、「(永田被告を)絶対に許しません。息子の苦しみ以上の報いを極刑という形で与えてほしい」と訴えました。
判決は来月7日に言い渡される予定です。
|
|