売り上げの架空計上などが判明した企業の、いわゆる「粉飾倒産」が増えている。帝国データバンクが調査結果を発表し、1〜9月の粉飾倒産は74件で、前年同期と比べて16件多かった。前年同期を上回るのは3年連続で、1〜9月としては集計を開始した2016年以降で最多。通年でも年間最多の2019年(84件)を更新する見込みで、業種別で最も多かったのは「建設業」(18件)だった。
業種別では「建設業」に続き「卸売業」(16件)、「製造業」(14件)が多かった。業歴別では「30年以上」(37件)が最多で「20〜30年未満」(19件)が続いた。負債規模別では「1億〜5億円未満」(21件)が最も多かった。
粉飾決算の発覚は2020年以降、ゼロゼロ融資などの各種支援策で表面化しづらかったが、アフターコロナでは金融機関に借入金の返済猶予や追加融資を申し入れた際に資産査定で発覚する事例が相次いでいる。金融庁は個別債権の資産査定も辞さない姿勢を示しており、各金融機関は、これまで以上に企業を見る目が厳しくなることが予想される。
帝国データバンクは「金利上昇となれば借り換えの機会が増え、財務内容の精査で不正が発覚して倒産に至るケースが増えるのではないか」と分析している。
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9月末までの粉飾倒産(法的整理のみ、負債1000万円以上)を調査した。
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