【漫画】結局、一番キュンキュンするのは“両方想い”? お嬢様とメイドがすれ違うSNS漫画が尊い

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2024年10月25日 09:00  リアルサウンド

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『好きって気付いてほしいお嬢様とアホメイドの話』より

 お互いに好意を持ちながら、それが相手に伝わらない“両片想い”。じれったい関係性にヤキモキしながら、同時に微笑ましい……そんなシチュエーションが、創作のテーマとして人気を集めている。Xに9月中旬に投稿されたオリジナル漫画『好きって気付いてほしいお嬢様とアホメイドの話』は、財閥の一人娘・ツバキとそのメイド・御村の両片想いをコメディタッチで描いた良作で、読者をニヤニヤさせている。


(参考:漫画『好きって気付いてほしいお嬢様とアホメイドの話』を読む


 本作を手掛けたのは本業漫画家で、現在はバイトも3つ掛け持ちしているという若林アスカさん(@asuka_wakaba)。空き時間でイラスト関連の仕事もこなし、「正直寿命は縮んでいる気がします!」というハードな日々を送りながら、創作活動に励む若林さんに本作を制作秘話など話を聞いた。(望月悠木)


■“キモい理由”で誕生した作品?


――なぜ『好きって気付いてほしいお嬢様とアホメイドの話』を描き始めたのですか?


若林:制作のキッカケはとある漫画家さんへの対抗心からです(笑)。名前は出しませんが、めっちゃ数字も取れ、ファンも多く、リリースする作品は全部ストライク、みたいな方です。漫画の描くジャンルも以前の私とちょっと似ていて、私が目指す面白さを全て上回まっていたため、そのことが本当に悔しかったんです。圧倒的な実力差に押し潰されて、夜中1人で号泣することが多々ありました。多分この時期の自分の性格が一番悪かったと思います(笑)。


――その悔しさが原動力になって生まれた作品だと。


若林:はい。「このままではいけない」「この人に勝つためにはどうしたらいいか」と思い、私は百合作品のウケが良かったため、百合のショート漫画を「pixiv」にほぼ毎日投稿するようにしました。その中で、本作を投稿した時にめちゃくちゃ反響があり、続編を次々と描くようになったんです。


――そもそも、お嬢様とメイドの両片想いの百合作品にしたキッカケは?


若林:キモがられる覚悟で言います。当時片想いしてた人に「好き」って気付いてほしくて、その気持ちを昇華するために描き始めました。めっちゃキモイですね、すみません!!多分今ので100人くらいファンが減ったと思います! みんなごめんな!


――きっとそのピュアさに惹かれてファンは増えたと思いますよ。


若林:ありがとうございます。私は恋愛経験が少なく、そのせいか死ぬほど奥手です。そのため、「好きって気付いてほしい」と思っていた時、「これを漫画にすれば面白くなるのでは!?」とひらめきました。また、もともとは片想いの設定だったのですが、それではありがちな漫画になり、加えてラストに読者を裏切る展開を作りたかったため、両片想いにしました。


■照れた女の子を描くための教科書とは


――ツバキと御村のメイン2人はどのように作り上げましたか?


若林:ビジュアルは完全に私の好みです(笑)。個人的には黒髪ボブのジト目で、メイド服着ている女性がとても好きなので、「御村は絶対このビジュアルにしよう」と決めて描き上げました。一方、ツバキは御村と真逆の見た目をしています。やはりキャラの見た目が似ていると、「今どっちが話してるんだ?」ということになりかねないため、御村とは真逆の金髪ハーフツインで、ぱっちりタレ目の見た目にしました。


——ラストカットで毎回とろけるような表情をしている御村がとにかく好きです。


若林:オチの表情は一番こだわっています。また、他の表情とは異なり、完全に描き方を変えています。こんなこと言うとまたまたキモがられるかもしれませんが、御村の表情はエロ漫画を参考に描いています!(笑) エロ漫画の女の子はめっちゃ可愛いです。照れた時とか特にグッと来ます。エロ漫画は照れる女の子を描くための教科書です。


——表情だけではなく、ストーリー展開も面白いです。ストーリーのキッカケになる“ツバキのアプローチ”はどのように考えていますか?


若林:1話が4ページしかないため、基本はわかりやすさを意識しています。そのため、手のひらの好きって描く や相性占いなど、すぐ行動に移せるわかりやすいアプローチを採用しています。ただ、アプローチのバリエーションはいつもネタ切れぎみです(笑)。過去の自分の恋心を思い出してそれを使ったり、YouTubeの青春系のショートドラマを見たりなどして必死にネタを探しています。


――今後の漫画制作はどのように進めていく予定ですか?


若林:実は現在絶賛漫画のジャンルが迷走中です。個人的にはラジオみたいな漫画を描きたいです。お笑いが好きで、いろいろな芸人さんのラジオを聞いているのですが、どんなに疲れていても聞けます。「気負いせずに聞ける」と言いますか、そういうのってめっちゃ良いなと思っています。人の心を動かす漫画ももちろん素敵ですが、「何も考えさせず人を癒すことができる漫画も同じくらい素敵だな」と思っているので、「なんとなく2人のやりとりおもろい」みたいな会話劇を中心に制作していきたいです。


――若林さんのそういった作品を楽しみにしているファンも多いかと思います。


若林:そうだと嬉しいです。あとは何と言ってもバカ売れしたいです。今までの人生を振り返ると全て中途半端だったので、好きな漫画だけは何がなんでも絶対中途半端に終わらせたくない。その意思はめちゃくちゃ強いですし、1番のモチベーションになっています。他にも、売れることで現在お世話になっている人たちに恩返ししたいですし、単行本を出した際にはお笑い芸人のかもめんたるさんに帯コメを書いてもらいたいです! そして、今描かせてもらっている「ヤングジャンプ」(集英社)で絶対に連載を取りたいです! 応援してくださると嬉しいです!


(望月悠木)



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