元検事正、罪認め謝罪＝暴行「口止め」と検察側―部下への準強制性交罪・大阪地裁

　大阪地検検事正在任中の２０１８年９月、官舎で部下の女性検事に性的暴行を加えたとして準強制性交罪に問われた弁護士、北川健太郎被告（６５）の初公判が２５日、大阪地裁（渡部市郎裁判長）であった。北川被告は起訴内容を認め、「争うことはしません」と述べた。その上で、「深刻な被害を与えたことを深く反省しています」と謝罪した。

　検察側の冒頭陳述や関係者の供述調書によると、女性検事は大阪市内で開催された北川被告の検事正就任を祝う懇親会に他の検察職員らと共に参加。焼酎の水割りを飲み、当時はろれつが回らず、泥酔状態にあった。

　北川被告は、女性検事が帰宅するためにタクシーに乗ろうとした際、一緒に乗り込み、検事正官舎に連れ込んだ。

　女性検事は性的暴行の途中で意識を取り戻したが、殺されると思って抵抗できず、「夫が心配しているので帰りたい」と訴えた。被告は「これで俺の女だ」などと発言しながら、暴行を継続。事件後、被害を申告しようとした女性検事に「組織として立ち行かなくなる」「私も死ぬ」などと言って口止めしたとされる。

　北川被告は一身上の都合を理由に、１９年に辞職。辞職後も、検察庁の職員と飲み歩いていたことから、女性検事は検察幹部に被害を報告し、今年６月、大阪高検が逮捕、７月に大阪地検が起訴した。