【ワールドシリーズ展望】キーマンは大谷翔平! 五十嵐亮太は4勝3敗でドジャースの世界一を予想

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2024年10月25日 17:21  webスポルティーバ

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五十嵐亮太が語るMLBワールドシリーズ展望(後編)

前編:五十嵐亮太が分析する大谷翔平&山本由伸とドジャースの強さはこちら>>

 MLBのチャンピオンを決めるワールドシリーズがいよいよ始まる。今年はロサンゼルス・ドジャースとニューヨーク・ヤンキースのメジャー屈指の名門対決、さらに大谷翔平とアーロン・ジャッジのホームラン王対決ということもあり、始まる前から大きな盛り上がりを見せている。はたして、ワールドシリーズを制するのはどっちのチームなのか? 五十嵐亮太氏が予想したのは?

【超強力ヤンキース打線】

── ワールドシリーズでは、43年ぶりにヤンキースとの対戦になります。どんな展開になると予想しますか。

五十嵐 大谷翔平選手とアーロン・ジャッジ選手のホームラン王対決に注目が集まっていますが、ともに打線がいいですし、点の取り合いになるのは間違いないでしょうね。

── ヤンキース打線の印象は?

五十嵐 中心はジャッジ選手なんですけど、ほかにもグレイバー・トーレス選手、フアン・ソト選手の上位は、長打力があって、選球眼もよく、出塁率が高い。また、ジャンカルロ・スタントン選手の調子がよく、得点能力の高いチームです。とくにヤンキースの場合は、下位から上位につながるとビッグイニングになる可能性が高い。ドジャースとしては、その上位打線をどう抑えるか。そこがポイントになってくるでしょうね。

── ヤンキース打線の中心であるジャッジ選手ですが、ここまでポストシーズンは2本塁打を放っていますが、打率は1割台と苦しんでいます。

五十嵐 ジャッジ選手はシーズン中も20試合近くホームランが出なかったり、調子の波が激しい部分があります。その代わり、打ち始めると止まらない。ここまではよくありませんが、ワールドシリーズになって大爆発する可能性はあります。ドジャースとしては、ジャッジ選手をこのまま黙らせておきたいですよね。

── ワールドシリーズ第2戦の先発が予想されている山本由伸投手ですが、ヤンキース打線と対戦する際、どのあたりに注意すべきですか。

五十嵐 ジャッジ選手、スタントン選手が並ぶ打線は、やっぱり嫌ですよね。下位から上位にうまくつながれると、ビッグイニングの可能性がある。そこは避けたい。ただ山本投手については、前回の登板でしっかり自分のピッチングができています。そこは本人もある程度自信を持っているんじゃないかと思います。ポストシーズンの雰囲気にも慣れてきたでしょうし、いつもどおりのピッチングをやってくれるんじゃないかと思っています。

【ワールドシリーズを制するのは?】

── ヤンキース投手陣についてはいかがですか。

五十嵐 先発はゲリット・コール、カルロス・ロドン、クラーク・シュミット、ルイス・ギルと4人揃っていて、第7戦までローテーションは組めます。そこにネストル・コルテスが戻ってくれば、さらに厚みは増す。先発に関しては、ドジャースよりも上です。ドジャースはジャック・フラハーティ、山本、ウォーカー・ビューラーの3人に、ブルペンデーを入れなければいけません。ここまでブルペンデーはうまくいっていますが、ヤンキース打線相手にどこまで持ちこたえることができるかですね。

── 大谷選手に対して、ヤンキース投手陣はどのような攻めをしてくると思いますか。

五十嵐 厳しいコースを攻めてくることは間違いないと思うんですけど、大谷選手にとっては真っすぐ待ちの変化球対応になります。そのなかで、甘く入った球をどれだけしっかり捉えられるか。そこが勝負の分かれ目になるんじゃないかと。もしワールドシリーズ第1戦の初打席で、大谷選手が打つことができれば、チームも乗っていくんじゃないかと思います。

── 今回のワールドシリーズ、何勝何敗でどちらが勝つと予想しますか。

五十嵐 4勝3敗でドジャースの勝利を予想します。お互い打線のいいチームですので、やっぱり点の取り合いになるでしょう。そのなかで、打線のつながりという部分で、ドジャースのほうが上かなと。ただ投手陣はヤンキースのほうがいいですし、ドジャースのブルペン陣もディビジョンシリーズやリーグチャンピオンシップの時のようなピッチングができるかどうか。実力的には互角だと思います。あとは、"見えない力"がどこまで働くか。ポストシーズンの戦いを見ても、ドジャースには"見えない力"のようなものが働いていると思えてなりませんでした。

── キーマンを挙げるとしたら、誰になりますか。

五十嵐 やっぱり大谷選手ですね。MVPを獲るくらいの活躍をして、ドジャースをワールドシリーズ制覇に導いてくれるんじゃないかと。実際、それができる選手ですし、大谷選手の働きというのは、シリーズの明暗を分けるような気がしますね。


五十嵐亮太(いがらし・りょうた)/1979年5月28日、北海道生まれ。千葉・敬愛学園から97年ドラフト2位でヤクルトに入団。プロ2年目の99年にリリーフとして頭角を現し、一軍に定着。04年はクローザーとして37セーブを挙げ、最優秀救援投手賞のタイトルを獲得。09年オフにメジャー挑戦を表明し、メッツと契約。12年はブルージェイズ、ヤンキースでプレーし、13年にソフトバンクと契約し日本球界復帰。18年オフに戦力外となるも、ヤクルトと契約。19年は45試合に登板したが、20年10月に現役引退を表明。現在は解説者として活躍している。

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