キャリアの浅い馬同士による一戦で難解だが、昨年のチェルヴィニアはじめ、サークルオブライフやソダシ、ラッキーライラック、リスグラシューなどが勝ち馬に名を連ねる出世レース。タフな東京競馬場芝1600mを舞台に行われる2歳牝馬限定重賞なので前半はペースが落ち着くことが多く、過去10年の上がり3ハロン最速馬は[7-2-0-1]だ。
◎ミリオンローズは東京競馬場芝1600m新馬戦優勝馬。半マイル通過50.0秒というスローペースの流れを好位のインで手綱を抑えたまま追走し、最後は内ラチ沿いから力強く伸びた。最後は差を詰められたものの11.8秒、11.0秒、10.9秒という加速ラップの中で残り300m付近から抜け出したレース内容は秀逸だった。前走のクローバー賞ではスタート直後に口を割りながらの追走となったことで伸びを欠いたが、初戦のパフォーマンスはあの一戦だけで見限れないものだった。
〇マイエレメントは、新潟2歳Sが行われた日の新潟競馬場芝1600m優勝馬。この時は半マイル通過48.6秒のペースを中団待機。最後の直線では余裕を持って外に持ち出されると11.6秒、10.8秒、11.5秒のレースラップを自身推定33秒3の末脚で抜け出した。祖母ジャズプリンセスは愛国の短距離重賞2勝馬でエピファネイア×ディープインパクトというスケールの大きな配合から、初戦以上のパフォーマンスが期待できる。
▲ショウナンザナドゥは京都競馬場芝1600m未勝利戦優勝馬。デビュー戦は逃げた馬を半馬身差捕まえきれなかったものの3着以下には7馬身差。初勝利を記録した一戦は2着馬に5馬身の差をつけた。半姉にファンタジーSに勝ち、牡馬を相手にした朝日杯FSで1番人気に支持されたミスエルテがいる血統馬。430kg台とやや小柄な馬ながらもスピード能力は高い。
△ブラウンラチェットは中山競馬場芝1800m優勝馬。前半1000m通過が63.4秒というスローペースだったとはいえ、急坂をものともせずにゴール前2ハロンで11.6秒、11.2秒はすごい。しっかり脚を溜めることができればワンターンコースでも怖い1頭だ。
同じく中山マイル未勝利戦で最後11.7秒、11.4秒という加速ラップを差し切った△シホリーンとスケールの大きさを感じさせる△カムニャックも押さえておきたい。