きょう投票日 あなたの選択は…選挙趨勢を大きく左右する投票率 とりわけ若者の投票率に注目 政治を“自分事”に【風をよむ・サンデーモーニング】

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2024年10月27日 15:45  TBS NEWS DIG

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TBS NEWS DIG

風をよむです。10月27日は衆議院選挙の投票日です。選挙の趨勢を大きく左右するのが投票率。とりわけ若者の投票率に注目が集まります。

一向に上がらない若者の投票率 背景には「シルバー民主主義」

2024年、地震と豪雨被害を受けた能登。七尾市の仮設団地ではバスを利用した期日前投票所で市民が一票を投じました。

被災者
「スムーズに行った。入れるところ(投票箱)も近かったし」

しかし、道路が復旧途上の奥能登(石川3区)では、移動投票所のバスがなくなったこともあり、期日前の投票者数(10月20日までの5日間)は前回衆院選(2021年)と比べ、33.9%減りました。

被災者
「今まではずっと(投票)していた。(今回は)行けない」

10月27日に投票日を迎えた衆院選。被災地である能登とは別に、今回懸念されているのが投票率です。

10月20日に総務省が公表した期日前投票の中間状況によりますと、既に投票を済ませた人(10月20日まで)は、コロナ禍で期日前投票者が増えた前回(2021年)と比べ、出足は約100万人減っています。

20代
「政治に対して全く興味がないわけではないが、傍観しようかなと」

そして、以前より投票率の低さが指摘されているのが若者世代です。前回衆院選(2021年)の投票率を見ても、最も高い60代が7割を超える中、20代は36%と最も低く、10代もそれに続いたのです。

街で聞いても…

大学2年生
「私はあまり行く予定はない。投票に行っても自分の投票で変わる感じがしない」

大学4年生
「友達の会話の中で政治についてとか暮らしについてとかあまりしない。そういう機会がないから、そもそも興味を持たない」

一向に上がらない若者の投票率。その訳とされるのが…

大学院生
「50代以降の方が投票率も多くて、その人たちの意見が反映されやすい。若者が行っても意味がないんじゃないかなって」

投票率の高い高齢者の意見が相対的に政治に反映されやすいとされる、いわゆる「シルバー民主主義」。この状況を法政大学の白鳥浩教授は…

法政大学大学院(現代政治分析) 白鳥浩教授 
「このシルバー民主主義が進んでいってしまうと何が起こるか。高齢社会を支える財政的な負担だけがツケとして若い世代に向けられて、犠牲者になっていく。若年層は政治から疎外されているという意識を持つ。こういう負のスパイラルの中で、さらに投票に行かなくなる」

若者を中心に日本の政治に深刻な影を落とす「低い投票率」。先進国が加盟するOECD38か国の中でも、日本の投票率(国政議会選挙)は31位と下位に甘んじています。

図らずも2024年は世界的にも異例の「選挙イヤー」。低い投票率を打開する手はあるのでしょうか。

若者の意見を政策に 台湾の「政策提言サイト」

2024年1月に行われた台湾総統選。全体の投票率は71%でした。20代の投票率も、前回(2020年)同様、7割程度と推計されています。(中央選挙委員会)

こうした若者の投票に影響を及ぼしているといわれるのが、2024年5月までデジタル担当大臣を務めたオードリー・タン氏が立ち上げた政策提言サイト「Join」です。

ネット上で意見を提案し、「いいね」の数が5000人以上になると、政府がそれを検討しなければならないという、いわばネット上の「目安箱」。

政府が決めた「使い捨てプラスチック・ストローの禁止」も、もともとは16歳の女子高校生がサイトで提案したものでした。

台湾前デジタル担当大臣 オードリー・タン氏
「18歳未満の若者も政治に関与させるべき。18歳になる前にチャンスを与えなければ、政治に関心を持てない」

選挙権のない若者の意見も実際の政策に反映させる台湾。政治を我がこととして実感させる重要性がうかがえます。

「政治参加で社会は変わっていく」 大学のサークルで選挙啓発活動

そして、日本でも投票率を少しでも上げたいと活動する若者たちがいます。

学生の投票に関する相談に応じるのは、中央大学のサークル「Vote at Chuo!!」。若者が投票しやすくなるよう、キャンパス内に投票所を作ることを目標に掲げ、選挙に関する啓発活動を行っています。

中央大学法学部2年 藤田星流さん
「『この候補者があなたの意見に一番合っていますよ』というのを紹介してくれる」

学生
「マニフェストと合わせて考えてくれる?」

中央大学法学部2年 藤田星流さん
「そう。めっちゃ分かりやすくないですか」

今回、公示後に開いた相談会には100人を超える学生が訪れました。2割ほどが投票に後ろ向きだったといいますが、その多くは、話を聞いて投票に前向きになったといいます。

サークル代表の藤田さんからも…

中央大学法学部2年 藤田星流さん
「若者は考えていないみたいな声がたくさんあると思うけど、実際、『理想の社会ってどう思うか』とか聞くと、これだけ考えている。たった一票なんですけど、その一票が政治家にはプレッシャーにもなる。政治参加していけば、少しずつ(社会は)変わっていく」

迎えた10月27日の投票日。政治や社会が変わる節目となるのでしょうか。

20代
「せっかくの権利なので、自分の声を国政に伝える貴重な機会なので行こうと思う」

高校3年生
「自分たちが大人になったときに、より良い社会にするために高校生のうちから投票したいなって思います」

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