米国でビッグマックを注文すると、日本円に換算すると850円もする。一方の日本は480円。だいたい同じサイズで、味もほとんど変わらないのに、なぜ米国のビッグマックは日本の1.8倍も高いのか。
答えは円と米ドルの交換レート。ニュースなどで「米ドル/円相場」という言葉を聞いたことがあると思うが、米ドルが高く、円が弱くなっているので、米国のビッグマックは高くなっているのだ。
マネオ: バーガー博士、ビッグマックの価格が日本より米国の方がずっと高いのは分かったけど、他の国と比べても日本のビッグマックは安いのですか?
バーガー博士: 世界の中では日本のビッグマックはかなり安い方になっていて、主要な国の中では下から数えて11番目。だいたい中国と同じくらいだね。
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世界中のビッグマックの価格は、『エコノミスト』という英国のビジネス雑誌が、毎年2回、約50カ国・地域の価格を調査・比較してくれている。この調査の範囲内で、ビッグマックが最も高いのはスイス。
スイスではビッグマックの価格が7.10スイス・フランで、今のスイス・フランと円の交換レートは1スイス・フラン=170円くらいなので、スイスのビッグマックの値段を円に換算してみると170円×7.10スイス・フラン=1207円もする。これはセットの価格ではなく、ビッグマック1つの価格。実に日本のビッグマックの2.5倍もする。
次に高いのはウルグアイで、その次がノルウェー。ノルウェーではビッグマックの価格が74ノルウェー・クローネで、今のノルウェー・クローネと円の交換レートは1ノルウェー・クローネ=14円くらい。したがって、ノルウェーのビッグマックの価格を円に換算してみると14円×74ノルウェー・クローネで1036円となる。
その次に高いのが、米国、英国、ユーロ圏、カナダなどで、概ね同じくらいの価格。つまり、日本円に換算するとだいたい800〜900円前後。
調査対象の国・地域の中で真ん中より少し下くらいに位置するのが、お隣の韓国。韓国のビッグマックの価格を円に換算すると600円くらいなので、日本の価格より25%くらい割高になっている。日本の順番は下から数えて11番目で、中国よりも少し下の水準となっている。
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エコノミスト誌の調査によると、今から24年前の2000年4月時点の日本のビッグマックの価格は世界の中で上から5番目くらいに高かった。日本のビッグマックの価格は当時294円で、米国のビッグマックの価格は2.24米ドルだった。当時の米ドル/円相場は1米ドル=105円前後だったので、米国のビッグマックの価格は日本円で240円程度で、日本よりも安かった。
過去24年間で、日本のビッグマックの価格は294円から480円まで1.6倍程度にしか値上がりしていない一方、米国のビッグマックの価格は2.24米ドルから5.69米ドルと2.5倍も値上がりしていることが分かる。さらに、1米ドルと交換するために必要な円が、105円から150円に大幅に増えてしまった。
つまり、米国でビッグマックの米ドル建て価格が大きく上昇したことと、一方で円の価値が米ドルに対して大幅に下がってしまったことが、以前と比べると米国でビッグマックを買うのに必要な円が多くなっていることの原因であることが分かる。
【まとめ】
過去24年間で米国ではビッグマックを買うのに必要な米ドルが2.5倍に増え、1米ドルと交換するのに必要な円が105円から150円に増えた。
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(佐々木 融、ふくおかフィナンシャルグループ・チーフストラテジスト)
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