ドンキの焼き芋が「10分で100本」売れる 人気の秘密を聞いた

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2024年10月30日 06:21  ITmedia ビジネスオンライン

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ドンキの「焼き芋」関連商品が人気

 ドン・キホーテの焼き芋と関連商品が好調だ。10年以上前から店舗で販売する焼き芋が10分に100本以上のペースで売れ、年間約12.3億円(2023年1〜12月国内実績)の売り上げ規模を誇るヒット商品となっている。その勢いは、とどまるところを知らない。最近では、焼き芋関連のお菓子も人気だという。


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 特に外国人向けの店舗で売れているようだが、なぜ焼き芋だけでなく関連商品まで好調なのだろうか。商品企画時に意識しているポイントなどを、運営会社であるパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)商品開発アドバイザーの長谷川伸さんに聞いた。


●「焼き芋タルト」「焼き芋スプレッド」などの人気商品


 ドンキは2023年4月、焼き芋売り場の活性化を目的に焼き芋関連のPB商品を販売した。最初に手掛けたのは「焼き芋のお酒」で、その後「焼き芋アイス」「焼き芋大福」などを投入。ドンキのPB商品を扱う新業態「ドミセ渋谷道玄坂通ドードー店」などで、期間限定で発売した。


 基本的には3〜4カ月ほどのスパンで商品を入れ替え、焼き芋関連の商品としてはこれまでに計8アイテムを展開してきた。現在は、お菓子を中心に4〜5アイテムを販売している。


 特に売れているのは、2024年9月に発売した「焼き芋タルト」(4個入り647円)だ。ドンキの焼き芋でも採用している「紅はるか」をペースト状にし、ねっとりとした食感や風味が楽しめるスイーツとなっている。「月販1万1000個ペースで、焼き芋関連品では断トツで売れている」(長谷川さん)


 もう1つは「焼き芋スプレッド」(431円)。2023年9月の発売から約1年で累計9万個以上、3600万円規模の売り上げだという。これまで焼き芋関連で通年販売の商品はなかったが、焼き芋スプレッドについては好調のため販売を継続している。


●企画段階からインバウンド向けを意識


 焼き芋関連の商品開発にあたって、さまざまな担当者が集まって企画を練っている。本部のインバウンドPB開発者や全国でインバウンド需要が高い店舗の担当者などを交えて、訪日外国人がどんな商品に興味をもっているのかなどを分析している。新商品が完成すれば、まずインバウンド向けの店舗で販売し、実績を見ながら全国に、といった流れで展開しているという。


 焼き芋関連商品の特徴として、商品パッケージに日本語と英語を併記していることが挙げられる。裏面のみ海外の食品表示法に従って英字表記をして販売している。


 「海外の消費者は『日本産ブランド』に価値を感じている。日本産の原料を使い、日本の工場で製造したことが安心感につながっているようだ。日本語と英語を併記したパッケージは海外でも好まれ、日本では外国人のお土産として購入されている」


 焼き芋関連商品については、海外で「焼き芋のお酒」「焼き芋大福」などを販売していたが、現在は扱っていない。今後は海外輸出を強化する。具体的には、日本で販売する「焼き芋ポーション」(10個入り、431円)などを、海外でも展開していくという。PPIHの海外店舗は100店舗ほどあって、企画段階からどの国で販売するかを決定していくそうだ。


 今後は「焼き芋のお酒」「焼き芋タルト」「焼き芋スプレッド」に加え、半年に1アイテム、年間2アイテムのペースで焼き芋関連商品を投入する予定だ。「売り上げとしては、関連商品全体で前年比120%増を目指す」という。


●外国人に焼き芋が人気のワケ


 ところで、ドンキの焼き芋や焼き芋関連商品は、日本人だけでなく、なぜ外国人にも人気なのだろうか。


 ドンキの焼き芋で採用しているサツマイモは、収穫後にキュアリング処理(収穫後3〜4日間、高温・高湿度条件下に置く処理のこと)を行う。貯蔵庫で1年ほどの保管が可能になり、熟成期間を経て出荷する。品質の良いサツマイモだけを農家が選別し、出荷することでねっとり食感を生み出している、という特徴がある。


 焼き芋関連商品については、焼き芋と同じ品種のサツマイモ(紅はるか)を使用。販売前には、青果の本部担当者も一緒に試食会を行う。担当者から「これならドンキの商品として販売して大丈夫だ」といった“お墨付き”を得て、店頭に商品が並ぶそうだ。


 海外店舗での焼き芋販売は、どのような状況なのか。2017年12月に海外1号店「DON DON DONKI(ドンドンドンキ)オーチャードセントラル店」(シンガポール)が誕生し、そのオープン当時から販売している。


 「焼き芋は日本で人気があったので販売する予定だったが、当初『メイン商材』としては考えていなかった。しかしシンガポール1号店の店長に試食してもらったところ『驚くほどおいしい!』という感想が返ってきた。ローカルスタッフの舌に合うのであれば、ある一定の支持が見込めるのではないか、ということで販売を決めた」


 シンガポール1号店をオープンすると、焼き芋機の前に大行列ができた。シンガポール2号店、3号店、タイ1号店のオープン時も行列ができたことで、手応えを感じた。青果担当者は日本各地の産地を回り、海外で販売できる品質・量のサツマイモを確保。なお、採用しているサツマイモは、日本のドンキで販売している原料とは異なる産地のものを使用している。


 いまは、どういった状況になっているのか。爆発的なブームは過ぎ、日常的に購入するモノとして定着しているようだ。


 「東南アジアで暮らす人の多くは甘いモノが好きだが、海外のサツマイモは甘みを感じられない。しかし、紅はるかなど日本のサツマイモはしっとりした甘さと食感があるので、人気を得ているのではないか。また、焼き上がる時の香りや焼き上がった瞬間にしか買えないという限定感が人気につながったと考えている」


 焼き芋に続き、関連商品も海外で定着していくか。今後の反響にも注目したい。


(熊谷ショウコ)



このニュースに関するつぶやき

  • 100円ローソンやスーパーでも焼き芋売っていて人気みたい。砂糖なしでも甘い+食物繊維が豊富ってところがヘルシーに思えるのかな。でも焼き芋食べると直後に血糖値が爆上がりするから自粛中。少量ならいいのかな。
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