《ロイヤルニート》
大学卒業後に、就職や大学院への進学をなさらなかった佳子さまは、公務にもあまりお出ましにならず、当時はこう揶揄されていた。しかし、
「この秋は目を見張るほど公務に邁進されています。9月21日から22日は、ライフワークとされている手話に関する公務のため、鳥取県を訪問されました。10月14日から15日は、国民スポーツ大会の視察のため、佐賀県をご訪問。そのわずか2日後、国際陶磁器フェスにご出席のため、1泊2日で岐阜県へ赴かれました。地方での公務中、佳子さまのお姿をひと目見ようと、行く先々で多くの地元住民が集まりました」(皇室ジャーナリスト、以下同)
SNS上で拡散された佳子さまの交流
多忙な中でも、佳子さまは集まった人々に笑顔で手を振られたり、自ら近づいて言葉を交わされた。その様子は居合わせた人によって、写真や動画に収められ、SNS上で拡散されている。
「岐阜県を訪問された佳子さまを撮影した一般人による動画が、10月18日にX(旧ツイッター)に投稿されました。動画は、かなりの至近距離で撮影されており、“暑い中、待っていてくださってありがとうございます”という佳子さまの肉声も拾われていました。真摯な交流ぶりは瞬く間に拡散され、現在950万回以上、表示されています」
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一般人の視線から捉えられた佳子さまの自然体なお姿には、“近くでお会いできたなんてうらやましい”など、動画には好意的なコメントが寄せられた。しかし一方で、
「常識外れのコメントも多数見られます。動画内で佳子さまが、前かがみになられた瞬間を切り抜き、胸元をズームした写真がSNS上に投稿されたり、さらにその写真に《見えないか、残念》とコメントするユーザーも。ほかにも、口にするのもはばかられるような性的なコメントがあふれているのです」
ITジャーナリストの三上洋さんは、佳子さまに関する投稿で、非常識なコメントが目立つ理由をこう解説する。
「佳子さまに関する投稿はXに限らず、YouTubeのショート動画などでも、閲覧数が数百万回を超えるほど、大バズリしています。投稿の閲覧数が増えれば増えるほど、その投稿に寄せられるコメントやリプライの閲覧数も当然、増えます。ですから、非常識なコメントも数万回ほど閲覧されてしまうのです」
SNSの規制は困難
しかし、規制は困難だと三上さんは続ける。
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「Xの運営会社など、プラットフォーム側が、そうした非常識なコメントを抑止すべきとの意見もあるかと思いますが、その場合、日本の皇室という制度を鑑みて、新たな規約をつくるという手順を要します。
しかし、メタ社のようなグローバルIT企業は、基本的にそのような対応は行いません。明らかに違法である投稿は抑止することができますが、そうではない微妙な投稿への対策は困難なのです」
象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院人文学研究科の河西秀哉准教授は「宮内庁が対策を講じるべき」と語る。
「佳子さまもSNSをご覧になっておられるでしょうから、あまりに悪質なコメントが増えると、姉の眞子さんのように、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する可能性も考えられます。しかし、皇族の方々は、立場上、自ら訴えを起こしたりすることはできません。それでも、性的なコメントのように、人権を侵害するような投稿には、宮内庁が開示請求するなどの対応をとるべきです」
SNSの“激語”から佳子さまを救う手立てはあるのか。
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三上 洋 ITジャーナリスト。守備範囲はネットセキュリティー、ネット上の事件や炎上、スマホ、ネット動画、コンピューターウイルスまで多岐にわたる
河西秀哉 名古屋大学大学院人文学研究科准教授。象徴天皇制を専門とし、『近代天皇制から象徴天皇制へ―「象徴」への道程』など著書多数