現地時間11月2日(土)にアメリカ・デルマー競馬場で行われるブリーダーズカップクラシック(3歳上・米G1・ダ2000m)。今回が初ダート挑戦となる英ダービー馬シティオブトロイ(牡3、City Of Troy)を管理するエイダン・オブライエン師が意気込みを語った。
同師はこれまでBCクラシックに17回挑戦したが、いまだ戴冠には手が届いていない。00年ジャイアンツコーズウェイ、13年デクラレーションオブウォーでは僅差の2着。そのほかのブリーダーズカップ競走で18回勝利を挙げている名伯楽であっても、「クラシック」のタイトル獲得は簡単ではない。
今年、BCクラシックに送り込むのは、同厩舎の現在におけるベストホースであり、3歳馬では世界最高レーティングのシティオブトロイ。英ダービー、エクリプスS、英インターナショナルSとG1・3連勝を飾っている。ダート適性は未知になるが、実績は申し分なく、A.オブライエン師にとって絶好のチャンスになるはずだ。
「彼が2歳でデビューする前から、BCクラシックへの出走はずっと夢でした」と同師は思いを口にする。「それが最初にジャスティファイ産駒を手に入れたいと思った理由。オーナーが粘り強く取り組んでくれ、最高の繁殖牝馬と交配し続けてくれました」。
シティオブトロイは幼い時から高い評価を受けていたという。「彼が仔馬のとき、8点中8点の非常に高い評価を受けましたが、通常は馬にとってプレッシャーの元になって、期待があるときほど失敗するもの。でも、2歳で調教を始めたとき、この馬は特別だと感じた」と当時を振り返った。
月曜日に行われた枠順抽選で14頭中3番ゲートを引き、想定オッズで3.5倍と本命視されている。欧州の中距離馬としては平均以上のスピードを持ち、鞍上は名手R.ムーアとあって、この枠なら選択肢も広がりそうだ。A.オブライエン師も「良い枠だと思います。外よりも内のほうが良いですが、速くスタートを切れるかどうかが問題になるでしょう」と満足げに答えた。
9月20日に実施された公開調教では、シティオブトロイが併せ馬で1600mの追い切りを行い、調教パートナーを圧倒した。「第一目標は序盤の速さに慣れさせることで、特に米国のレース前半のペースに匹敵する厳しい流れを楽に追走できることを確認した」と意図を説明。「決してゲートから全力で走り、逃げてほしいわけではない」と付け加えた。
「私たちは準備出来ることをすべてやった。良い位置を取れるかどうかは分からないし、米国の3歳馬や古馬との対戦も含めて、乗り越えるべき課題は非常に多い。レースが始まったら、どう動くかはライアン・ムーアに任せています」