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◆2035年には384万人分の労働力が不足!?
パーソル総合研究所と中央大学は10月17日(水)、2035年時点の「日本の労働力不足」が384万人に達するという推計をまとめました。
吉田:塚越さん、まず、この推計について教えてください。
塚越:パーソル総合研究所と中央大学が、将来の推計人口や完全失業率、GDPといったデータを基に「労働市場の未来推計2035」をまとめています。
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その要因として挙げられるものとして、働き手は次の10年間で増えるものの、働き方改革などで1人あたりの労働時間が減るといった要因があります。この推計だと今後は働く高齢者の方と女性が増えるとともに、外国人労働者も205万人から377万人と大幅に増えます。
労働者全体では、2023年の6,747万人だったのですが、2035年になると6%増えて7,122万人になる見通しで、このなかに外国人労働者も含まれます。つまり10年後の2035年には、労働者全体が増えます。
ただ、労働者全体の年齢層をみると、基本的に増えるのは60代以上、特に定年延長などを含め、65歳以上の労働者は57%と大幅に増えます。そして、30代それ以下の世代の働き手は今より減ることになります。
一方、女性に関しては、20代後半〜30代前半にかけて、結婚などで労働力率が落ち込んで、30代後半から再び上昇する、日本の特徴とよばれる「M字カーブ」という現象は解消される方向です。要するに、希望すれば結婚や出産後も働くことができる社会になるということで、女性労働者が増えることになります。
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◆副業しやすい社会、AIの活用で対策
吉田:この推計を踏まえて、パーソル総合研究所と中央大学は、何か対策を示しているのでしょうか?
塚越:基本的には2つあります。1つは、働く人や時間を増やす「活躍機会の創出」です。簡単に言えば労働力を増やすということですが、働き方改革で1人の労働時間は増やせません。なので、シニア労働者やパート労働、また副業を希望する労働者などを、時短勤務や隙間時間で働けるような労働市場を整備しようということですね。
もう1つはAIを利用して、人が少なくても仕事が回る「労働生産性の向上」です。これには「人への投資」、つまり研修などを行って労働者のスキルを高めることだったり、新しいテクノロジーを活用して、人が少なくとも回る仕事をしようということです。
まとめると高齢者やパート、副業で働く人が、隙間時間でも働きやすくする環境を作ること。もう1つは個々のスキルアップを応援して、スキルやテクノロジーで人が少なくても仕事が回る環境をつくりましょうということですね。
◆労働者のスキルアップを企業がサポートするのも手
ユージ:この推計を踏まえて、塚越さんは、どんな対策が必要だと思いますか?
塚越:最近だと企業と働く人をつなげる「タイミー」というサービスがありますが、隙間時間を利用した働き方ができるようになってきましたので、こういうところはいいのかなと思います。
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選挙の投票日が近付いていて、さまざまな経済政策が気になっている方もいらっしゃると思います。将来10年〜20年後どうなるのか? そのとき、労働者のことをどう考えているのか? というのも選挙を入れるうえでの1つの指標になるかなと思いますので、いま話した内容も含めて参考にしていただきたいです。
吉田明世、塚越健司さん、ユージ
<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月曜〜金曜6:00〜9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/one/
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