千葉県我孫子市を拠点に、行き場を失った猫の保護やお世話をする団体、ねこ友会。団体の会員が町中を歩いていると、民家の屋根の一部分の周辺に、不自然に飛んでくるスズメが目に入りました。
「スズメが飛んでくるところに一体何があるんだろう」と、屋根の一部分に目をやると、なんとそこには身動きが取れなくなった小スズメの姿がありました。どうも小スズメは、屋根の庇に片足が挟まってしまい、飛べなくなっている様子です。
役所・警察が捕獲を拒否する一方、動いてくれた消防署員たち
すぐに役所や警察に通報しましたが、返答は「野鳥なので手出しすることはできない」というツレないもの。しかし、諦めません。次に「消防署なら対応してくれるかも」と通報すると、程なくして現場に駆けつけてくれました。
消防署員たちの頼もしい手配を前に、感動を覚える団体の会員でしたが、しかし肝心の小スズメはー。
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小スズメはそのまま無事に空に帰って行った
署員は身動きが取れなくなっている小スズメがいる屋根の近くにハシゴをかけ、ゆっくりと近寄り無事捕獲。この捕獲時も、周辺を親スズメや仲間らしきスズメが飛び交っており、保護された小スズメを見て安心したのか、方々に散っていきました。
すぐに団体の会員はレスキューされた小スズメを懇意の動物病院に連れていき、診てもらうことに。残念ながら片脚は失うことになりましたが、それ以外の健康状態は問題ない、ということで、先ほど親スズメや仲間らしきスズメが飛び交っていた場所に連れていき、そのまま「元気で過ごしてね」と声をかけ再び空に放ちました。
うれしそうに飛んでいった小スズメですが、願わくば仲間たちと再会し、再び皆で仲良く空を舞い続けてくれていると良いなと思いました。
また、団体の会員は、ここまでの消防署員の尽力に深々とお礼を言い、「地元への納税は喜んで払いたいと思った」とうれしそうに語ってくれました。
行き場を失った動物の命を救おうと思った場面では「法律の壁」のため、手助けができないことがままあります。しかし、動物は人間同様に命が通った「ともに生きる」存在です。今回の小スズメ捕獲のエピソードから、改めて法律云々を飛び越えた「動物愛護」の思いや実践がさらに多くの人に広がると良いなと思いました。
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(まいどなニュース特約・松田 義人)