【AR共和国杯】かつてない混戦が予想されるレース 7歳馬クロミナンスにチャンス到来/長岡一也

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2024年11月02日 12:00  netkeiba

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長岡一也さん(フリーアナウンサー)
◆近走好調のセレシオンにも期待が高まる

 伝統の長距離重賞として見逃せないアルゼンチン共和国杯は、ジャパンCや有馬記念に向かう新参組を輩出してきた。スクリーンヒーロー、ゴールドアクターの親子は、その中でも、典型的な成功例と言える。毎年出走馬の顔ぶれを見てきてはっきり言えるのは、スタミナに優れた血統の馬が多くを占めていることだ。父馬たちを眺めていると、ハーツクライ、ステイゴールド、ルーラーシップ、オルフェーヴル、ディープインパクトなどの産駒が、勝ち馬に名を連ねている。もちろんこれにスクリーンヒーローも加わるのだが、そんな見方で東京の2500米のGII戦に迫ってみたい。

 スタート地点が直線の坂下、従ってこの坂越えが2度あることで、長距離向きのスタミナがもとめられ、逃げ馬の好走例がほとんどないというのが特徴と言っていい。上がりの最速馬と言うより、バテない我慢強い馬という考え方で、そういう雰囲気の馬を探してみると、何頭かにしぼられてきた。

 どうしても目に付くのが、同じ東京の2500米戦の目黒記念からの転戦組。その中でも7歳馬のクロミナンスを取り上げる。57.5キロを背負いながらもタイム差なしのクビ+アタマ差の3着、もうひと押しだった。父は短距離のロードカナロアだが、母父が長距離のマンハッタンカフェ。今年に入ってAJCC3着、日経賞2着に続き目黒記念の3着で、その後しっかり休養を取っての秋初戦、チャンスがあるとみたい。デビューして5戦で3勝もしていた素質馬だったが、脚部不安で一年も休みがあり、順調に走り出したのが昨年の11月から。以後4戦、ずっと安定して走ってきた。この年齢でまだ13戦、重賞初制覇に期待したい。

 これと似たようなキャリアの5歳馬セレシオンも、このレースにふさわしい馬だと思っている。菊華賞に出走して11着の後、約一年間のブランクがあり、復帰したのが昨年の10月。以後6戦して1勝2着3回、3着2回とくずれていない。前走が新潟記念2000米の2着、メンバー最速の上がりをマークしていた。テンに遅れるのがネックになっているが、今回距離が延びるのと、ペースが速くなることはないレースなので、一番持ち味が生きる可能性が高い。

 それに何と言っても、ハーツクライ産駒というのが心強い。友道厩舎は、同じハーツクライ産駒ドウデュースが天皇賞(秋)で目の覚めるような追い込みを決めたばかり、同世代のこの馬の快走も夢ではないだろう。

 ローテーションからみると、オールカマーをひと叩きされた組から選ぶことになるが、4連勝でダイヤモンドSを勝ったことのあるオルフェーヴル産駒のミクソロジーを。前走は19ヶ月ぶりで11着に終わったが、ひと叩きされ、距離が延びる点に魅力を感じる。

 いずれにせよ、かつてない混戦になりそうだ。

「これまでで 一番強い この走り」

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