3年ぶりModuloが歓喜のポールポジション。シビックが雨のもてぎで最前列独占【第8戦GT500予選レポート】

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2024年11月02日 18:20  AUTOSPORT web

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2024スーパーGT第8戦もてぎ GT500クラスポールポジションを獲得した伊沢拓也/中嶋悟監督/大草りき(Modulo CIVIC TYPE R-GT)
 悪天候に祟られ続ける2024年スーパーGT第8戦、モビリティリゾートもてぎでのGT500クラス公式予選は、Q1/Q2ともにヘビーウエットの高難度アタックと化すなか、Q1トップタイムの大草りきに続き、ホンダ・シビック・タイプR-GT同士のトップタイム合戦となったQ2で快心のドライブを披露した伊沢拓也の64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTが2021年第3戦鈴鹿以来、Nakajima Racingにとって3年ぶりとなるポールポジションを獲得。背後の2番手にも8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTが続き、ホンダ/HRC陣営がホームコースでフロントロウを固めている。

 予定では8月末の開催だった鈴鹿ラウンド以降、GTのレースウイークは台風による延期や予選のキャンセル、果ては土曜走行不可によるワンデー開催など、ことごとく天候不順に翻弄されてきた。そして本来ならシーズン最終戦を務めるハズだったもてぎの土曜も、予報どおりの豪雨に見舞われる事態となった。

 そんななか朝9時の定時に開始された公式練習では、否応なく路面の水量に脚元をすくわれスピン、コースオフする車両が続出。GT300クラスを含む度重なる赤旗中断を経て、最後の10分間で予定されていたGT500クラス専有走行もキャンセルされ、やはり雨が予想される午後の予選に向けては、シミュレーションの機会もないまま14時を迎えた。

 各車両につき年間全8戦中の参戦6戦目までは『フルウエイト』、同7戦目は『ハーフウエイト』との規則を受け、実質7レース目となる今回はサクセスウエイト(SW)が半減された状態で残ることとなり、例年の『ノーウエイト』勝負とは異なる条件に。

 ランク首位を行く王者36号車au TOM’S GR Supra(SW:53kg)を筆頭に、僚友の37号車Deloitte TOM’S GR Supra(SW:51kg)、そしてホンダ/HRC陣営の100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT(SW:51kg)は50kg超えで燃料リストリクター1ランクダウンの措置が残り、ニッサン/NMC陣営の3号車Niterra MOTUL Z(SW:46kg)、23号車MOTUL AUTECH Z(SW:40kg)も相応の実ウエイト搭載量が残る。

 3日日曜の決勝はドライでの勝負が見込まれるため、この雨量のなかで各陣営がどれだけ上位に各車両を送り込めるか。コンディションを見極めながら、持ち込んだウエットのタイヤセットを最大限活用する限界一発勝負が予想された。

■全セクター最速、ポールポジションを手繰り寄せたQ1トップタイム

 湿度は98%、気温17度、路面温度19度の条件で始まったGT300クラスの予選。ここでも雨量やアクシデントによる赤旗中断を経て、GT500のQ1はWET宣言のもと定刻14時28分から25分遅れの14時53分スタートとなる。

 ヘビーウエットのコンディションのなか、まずはピットが1コーナー寄りだったニッサン/NMC陣営から12号車MARELLI IMPUL Zのベルトラン・バゲット、続いて100号車STANLEY牧野任祐がそれぞれ計測3周目でトップを奪い、さらに37号車Deloitte TOM’Sのジュリアーノ・アレジも2番手に飛び込むなど、3メーカーがトップ3を形成していく。

 連続アタックを続ける各車のなかで首位100号車STANLEYの牧野が4周目も自己ベストを更新し、ここで1分50秒445までタイムを詰めていく。するとその背後から、14号車ENEOS X PRIME GR Supraの福住仁嶺が1分49秒984と、この時点で唯一1分50秒台を切るタイムで更新し首位が入れ替わる。

 しかしチェッカーラップを迎えてトップ確定かと思われたタイミングで、ダンロップタイヤ装着車両である64号車Moduloの大草がセクター1、2でベストを連発するアタックで逆転の1分49秒235をマークしてみせる。

 これで14号車の福住や、トップ5圏内に浮上してきた8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT、38号車KeePer CERUMO GR Supraをはじめ、ウォームアップラップのV字コーナーでオーバーシュートを喫していた39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraらを従え、ダンロップ&大草がQ1首位を奪うことに。これで合算タイムを決定づけるQ2へ向け各車ともチームメイトにクルマを託し、あとは天候の維持回復を祈るばかりとなった。

■独壇場は許さない。ARTA松下とau山下が意地の一撃

 同じくGT300のQ2セッションを経て15時49分に幕を開けたQ2は、だんだんと日没が近づき厚い雲のもとで暗さが増していくなか、トラック上にも依然として水量が残っている状況ながら、Q1よりは改善の兆しが見えた。

 ここでもやはりダンロップの64号車Moduloが先行し、伊沢は自身計測2周で1分49秒994と、この時点でQ1の大草とほぼ同タイムを刻んでいく。さらにここからはホンダ/HRCの新型シビック・タイプR-GTがトップタイムを奪い合う展開となり、続く計測3周目には100号車STANLEYの山本尚貴が1分49秒932で一時Q2首位に立ち、続くラップでは16号車ARTAの大津弘樹も1分49秒218でタイムを更新していく。

 しかし主役の座は譲らないとばかりに、一旦はクールダウンラップを入れていた64号車伊沢は4周目にふたたびアタック。各セクターベストの走りで1分48秒656とタイムをまとめ、この時点で合算タイム首位を固めることに。

 最終のアタックラップとなった計測5周目では、同じくホンダ陣営内の8号車ARTA、松下信治が1分48秒077という脅威のセッショントップタイムを叩き出し、これで合算でもフロントロウ2番手を獲得。

 ライバルとの間合いを図るべくバックオフを繰り返していたポイントリーダーの36号車au山下健太も、ここで1分48秒178と狙い澄ました2番手タイムでQ2を終え、合算でセカンドロウの3番手をもぎ取り、その隣4番手には石浦宏明の38号車KeePer CERUMOが並ぶことに。

 陣営内で1分49秒台の攻防を繰り広げたニッサン/NMC陣営は、最上位が10番手の12号車MARELLIとなり、3号車Niterraは11番手、同23号車MOTUL AUTECHは13番手からの巻き返しを誓うグリッドとなった。

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