「第96回アカデミー賞」でアジア映画初となる視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』(2023年)の監督・脚本・VFXを手がけた山崎貴監督の監督デビュー25周年を記念して、デビュー作『ジュブナイル』(2000年7月15日公開作品)とデビュー2作目の『リターナー』(2002年8月31日公開作品)が、11月22日より期間限定でリマスター上映されることが決定した。
【画像】『ジュブナイル』『リターナー』場面写真など 実写版ゴジラ30作目となる『ゴジラ-1.0』に続き、31作目となる新作を手がけることも発表された山崎監督にとって、VFXの原点でもある2作品を、オリジナル35ミリネガ原版から、白組×ROBOT×Imagica EMSによる最新4Kデジタルリマスター技術で完全復元。
少年たちと未知のロボット“テトラ”との交流を描いたファンタジー映画『ジュブナイル』は、日本のSF映画界に新風を巻き起こした作品。『リターナー』は、スピーディーなガンアクションとワイヤーワーク、随所に見られるVFXシーンが日本映画のイメージを一新させる映像世界を実現したSFアクション映画。20年以上前に山崎監督が描いた"未来"を、スクリーンで観られる貴重な機会となる。
4Kデジタルリマスター制作に初期段階から関わり、完成した本編をスクリーンで観た山崎監督は、「4Kリマスターはまるでつい最近撮影したかのようにあの時間を蘇らせてくれました。2つともタイムトラベルが中心に居る話ですが、映画自体がタイムマシンのように僕を20数年前に連れて行ってくれました」とその完成度の高さに興奮のコメント。
また両作品に出演している鈴木杏は「蘇った『ジュブナイル』『リターナー』。すっかり見入ってしまいました。面白いし、エモいし、大変!」と、喜びの声を寄せている。
■『ジュブナイル』(上映期間:11月22日〜28日)
2000年、ある田舎町の夏の日。小学生の祐介(遠藤雄弥)と岬(鈴木杏)たちは、森の中で小さなロボット「テトラ」と出会う。高度な知能を持つテトラはどこから来たのか。タイムマシンを研究する天才物理学者・神崎(香取慎吾)と共にテトラの秘密を探る祐介たち。
そのころ地球上空10万キロメートルの彼方に謎のエイリアン・ボイド人の巨大宇宙船団が地球の海を狙って停泊していた。刻々と迫りくる地球の危機。地球を守るため、そしてボイド人にさらわれた岬を守るため、祐介はテトラが作った戦闘型ロボット・ガンゲリオンにありったけの勇気を持って乗り込んだ。果たして地球を守られるのか?そして岬の命は?20世紀最後の冒険は、少年たちの想像を超え、遠い未来へとつながっていく―――。
監督・脚本・VFX:山崎貴
出演 :香取慎吾 酒井美紀 鈴木杏 遠藤雄弥 清水京太郎 YUKI 緒川たまき 吉岡秀隆
主題歌:山下達郎
■『リターナー』(上映期間:11月29日〜12月5日)
2002年、闇の取引からブラック・マネーを奪還して依頼者に送り返す、“リターナー“ミヤモト(金城武)の前に、2084年の世界からタイムスリップしたミリ(鈴木杏)という少女が突然現れる。ミリの目的は、2002年の地球を滅ぼしにやってきた最初の宇宙人・ダグラを抹殺すること。
2084年の地球は、ダグラに侵略され、人類は存亡の危機に直面していた。その運命を変えるべくミリが送り込まれたのだった。2人の前に現れた最初のダグラを巡り、闇社会を支配しようとする溝口(岸谷五朗)一味との攻防が始まる――。
監督・VFX:山崎貴
脚本:山崎貴 平田研也
出演:金城武 鈴木杏 樹木希林 岸谷五朗
主題歌:レニー・クラヴィッツ「DIG IN」
■山崎貴(監督・脚本・VFX)のコメント(全文)
久しぶりにジュブナイルとリターナーを観ました。4kリマスターはまるでつい最近撮影したかのようにあの時間を蘇らせてくれました。2つともタイムトラベルが中心に居る話ですが、映画自体がタイムマシンのように僕を20数年前に連れて行ってくれました。
みんな若くて、画像が生々しくて、なんだかそのまま映画の中に引きずり込まれそうな、引きずり込まれたいような甘い郷愁が押さえようもなく胸の内に立ち上ってきて、ちょっと泣いてしまいそうになりました。
ずっと映画を作ってきましたが、最初の二本に内包された若さやせつなさは
もうはっきりと手に入らないんだなと感じました。いろいろ足りないところもある映画ですが、久しぶりに劇場に足を運んでもらえるとうれしいです。
■鈴木杏(『ジュブナイル』『リターナー』出演)のコメント(全文)
蘇った『ジュブナイル』『リターナー』。すっかり見入ってしまいました。面白いし、エモいし、大変!あれ?『ジュブナイル』の時、山崎監督はいくつだったんだっけ?と計算してみたら、今の私とほぼ同い年。改めて尊敬。その才能と努力で次々と夢を叶えてきた山崎監督の今後の作品がますます楽しみです!
4Kデジタルリマスターの凄さ、正直今まであんまりよくわかっていなかったけれど(ごめんなさい)自分がリマスターされる当事者になって、ああ、過去と今、そして未来までもを繋げてくれるのだな、とその奥深さに感動しています。