アシックスが廃棄予定のシューズを原料に使った「ネオカーブ」を開発 ヨーロッパ限定で発売
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2024年11月04日 09:01 Fashionsnap.com
「アシックス(ASICS)」が、使用されずに廃棄予定となったシューズを原料に用いたスニーカー「ネオカーブ(NEOCURVE)」を開発した。サーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みの一環で、スポーツスタイルカテゴリーからヨーロッパ限定で販売している。メーカー希望小売価格は250ユーロ(約4万円)。同社によると、廃棄予定のさまざまな種類のシューズを分解・粉砕・材料化し、スニーカーに活用している事例は、スポーツブランドでは初めてだという。
アシックスは、よりサステナブルなモノづくりを実現するために、シューズの物理サンプル製作の削減を目指してデジタルツール「スリーディーシューズビューワー(3D Shoes Viewer)」を開発し、デジタル技術により生産数を最適化するなど、限られた資源の有効活用に努めている。今回は、その中でもやむを得ず発生してしまう、使用されずに廃棄予定となったシューズに着目して企画した。
ネオカーブで使われたのはアシックス製シューズのデッドストックをはじめ、サンプル品や自社規定をクリアせず販売できなかったものなど。シューズの回収から解体、材料化、デザイン、製造、販売までをヨーロッパ圏内で行うことでCO2排出量の削減にもつなげた。解体のフェーズでは、アシックスが提携するオランダに拠点を置くシューズリサイクル大手Fast Feet Grinded社の独自技術を活用。フォーム材、ゴム、繊維、皮革、金属、その他材料に分けられ、各材料はシューズに求められる強度や耐久性などを満たした品質となるようテストを繰り返し材料化され、アッパーや靴底、ミッドソール、中敷きなどに用いられた。シューズ全体の約15%にシューズの再生材料を使用し、一般的な再生材料を含めた再生材料比率は約25%を占めているという。生産はポルトガルで行われた。
商品名は、新しい(NEO)生産方法であるサーキュラーエコノミーの実現に向けたシューズであり、既存のリニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへ転換するポイント(CURVE)となるシューズにしたいという思いから命名。オランダのデザインハウス「Studio Hagel」とのコラボレーションで手掛けたデザインでは、2000年代初期におけるシューズのアーカイヴを現代にあわせてアップデートし、靴底を厚めに設計しながら、グレーやシルバーを基調に流線形を施したメタリック調に仕上げた。サイズはEU規格で37〜46の15サイズを用意し、ブラック×ピュアシルバー、ピードモントグレー×ピュアシルバーの3色を展開している。
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