大宮アルディージャならびに大宮アルディージャVENTUSの経営権を取得したレッドブルグループは6日に会見を行い、新クラブプロパティを発表した。
会見にはレッドブルのスポーツ部門全体を統括するRed Bull GmbH CEOのオリヴァー・ミンツラフ氏、サッカー部門のテクニカル・ダイレクターであるマリオ・ゴメス氏、大宮の新運営会社となるRB大宮株式会社で代表取締役兼フットボール本部長を務める原博実氏が登壇した。
チーム名は大宮アルディージャからRB大宮アルディージャへの変更が発表。ブンデスリーガのRBライプツィヒ同様、RBはドイツ語の『Rasen Ballsport(芝生の球技)』を意味し、企業名の『Red Bull』の略称を意味していないという説明となった。また新たなエンブレムも発表。レッドブルのコーポレートカラーおよびクラブのセカンドカラーである紺を基調とし、これまでのメインクラブカラーであるオレンジも盛り込まれた。また、大宮市(現さいたま市)のマスコット的存在であり、クラブ名の由来でもある『リス』(スペイン語で『アルディージャ』)がエンブレムから外れ、レッドブルを象徴する2頭の赤牛が中央に配置された。レッドブルグループの他クラブ同様のエンブレムを踏襲する形となっている。
ミンツラフCEOは、Jリーグや埼玉県などへの感謝を述べ、「これまで何度もオープンな形で協議をしてきました。このチームに大いなる可能性を見出しています。大宮がこれまで歩んだ道を継続するとともに、もっと上を目指す目標があります」と野心を語りつつ、「一歩ずつ進んでいく必要があります。我々のネットワークや経験や知識を駆使し、J1の確固たるクラブになるように努力していきます」と、着実に成長をしていくことが第一であると強調した。
クラブエンブレムに関しては、「大宮の上層部と繰り返し協議し、互いに尊重してきました。まず、大宮が我々のグループの一員であるとわかるように、そしてカラーであるオレンジがそのまま生かせるように、みんなが納得する形でやってきました。レッドブルサッカーファミリーの一員であることと、これまで大宮が培ってきたものを意志として示しています。これからもずっとファンに愛される形で続けていきたい」と説明。原本部長も「今までの大宮を大切にしてもらい、その上に新しい大宮、新しいクラブ、これから強くなっていきそうな印象を受けます。アグレッシブなレッドブルのサッカースタイルを印象付けるようなオレンジになっていると思います」と、同調した。
一方で、これまでクラブエンブレムに配置されていたリスについて、ミンツラフCEOは、「こういったことを決める上で、クラブの皆さんと突き詰めて話してきました。それで共通理解に達しています。RB大宮アルディージャとなったことで、リスが完全に消えてしまったということではないと理解しています」と述べるにとどまり、クラブマスコットであるリスをモチーフとした『アルディ』と『ミーヤ』の“去就”についても、「日本のサッカーにおいて、マスコットの存在に大きな意味があることは私たちもよくわかっています」、「マスコットに関しても(エンブレムと)同じ段階を踏むと思うので、もしかしたら変わるかもしれないし、もしかしたらそのままかもしれません」と、変更と継続の可能性それぞれを示している。
「日本は非常に重要な位置づけ」(ミンツラフ氏)というJリーグ参入。すでにレッドブルグループ側とのミーティングなども現場レベルで始まっているとのことで、原本部長からは育成や分析部門など、多くの分野で現状の共有と助言を受けていることが明かされ、「大宮の選手もいつかは海外に行きたいだろうし、指導者、トレーナー、フィジカルコーチ、アナリストなどもワクワクしています」と、現場に好影響をもたらすことに期待を寄せている。