ロリアンに所属する元フランス代表DFバンジャマン・メンディが、前所属のマンチェスター・シティに対して請求していた未払い賃金の支払いが認められたようだ。6日、イギリスメディア『BBC』や『スカイスポーツ』などが伝えている。
現在30歳のB・メンディは、2021年8月に複数の女性に対する性的暴行の罪で逮捕・起訴され、マンチェスター・シティからは捜査の結果が出るまで出場停止処分が下された。およそ5カ月間の拘留を経て2022年1月に保釈されると、同年8月に裁判が開始。2023年1月には6件の強姦容疑と1件の性的暴行容疑に関して無罪判決が下されたほか、残り2件の容疑に関しても同年7月に無罪判決が言い渡されていた。
契約満了に伴い、2023年6月限りでマンチェスター・シティを退団し、同年7月からロリアンでプレーしているB・メンディだが、2021年9月から2023年6月まで給与が支払われていなかったことを受け、マンチェスター・シティを雇用裁判所に訴え、未払い給与として税引き前で約1100万ポンド(約22億円)を請求していることが明らかになっていた。
そして、今回の報道によると、B・メンディは22カ月間の未払い給与を請求していたが、そのうちの5カ月間は拘留されていたため、支払いを受け取る権利がないものの、それ以外の期間については不当な控除だったとして同選手の請求の大半を認める判決を下したという。
これにより、同選手に支払われるべき金額は約850万ポンド(約17億円)となるが、正確な金額は同選手の弁護士とマンチェスター・シティの間でまだ合意されてはいないことも伝えられている。
それでも、請求の大半が認められたことを受け、B・メンディは以下のように声明を発表している。
「給与を受け取るまで3年間待たなければならなかったので、この判決には満足しており、クラブが名誉ある行動を取り、未払いの金額と契約で約束されていたそのほかの金額をこれ以上延滞することなく、支払ってくれることを心から願っている。そうしたら、ようやく人生のこの困難な時期を乗り越えることができる」
なお、法廷文書によると、現在リーグ・ドゥ(フランス2部)でプレーしているB・メンディは、マンチェスター・シティが給与を支払わなかったため、訴訟費用、請求書、養育費などを賄うために480万ポンド(約10億円)で自宅を売却しなければならなかったことも明らかになっている。