特殊詐欺事件で警察に提出された被害品から電子マネー約80万円分を詐取したとして、大阪府警は7日、府警特殊詐欺捜査課に所属する男性巡査部長(42)を電子計算機使用詐欺容疑で書類送検し、懲戒免職にした。起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。
書類送検の容疑は、茨木署刑事課に勤務していた2023年12月〜24年2月、特殊詐欺事件の被害者2人が購入したギフトカードから、計約80万円分の電子マネーをスマートフォンに取り込んだとしている。
ギフトカードには16桁のコードが記載され、スマホで読み取ると電子マネーが使える。府警監察室によると、巡査部長は被害者が購入したカードが写った捜査資料に自分のスマホをかざして入手していた。「残高を確認しようとしたら誤って取得した。被害者に返そうとしたができなかった」と容疑を一部否認している。
このうち約1000円分はスマホゲームなどに課金されていた。府警の聞き取りに「自身のクレジットカードから決済されると思った」と説明したという。
24年度に入って別の署員が事件を捜査していたところ発覚した。巡査部長はすでに全額を弁済。津川浩徳監察室長は「警察への信用を著しく失墜させ誠に遺憾。職員への指導教養を徹底する」とコメントした。【岩本一希】
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