【F1第21戦無線レビュー(1)】スタート前から混乱発生「砂にはまった」「違うグリッドについた?」「君は正しい行動をした」

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2024年11月08日 13:10  AUTOSPORT web

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2024年F1第21戦サンパウロGP グリッド
 2024年F1第21戦サンパウロGP。今年は雨の影響でスケジュールが変更により、日曜日に予選と決勝レースを行うワンデー開催となった。サンパウロGP前半を無線とともに振り返る。

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 悪天候に翻弄された今年のサンパウロGP。現地時間午後12時30分からの決勝レースも、マシンがグリッドにつく時点では雨は止んでいたものの、降水確率は100%。いつ雨が降り出してもおかしくなかった。

マーク・スレード(→オリバー・ベアマン):20分後に雨が来る。最初はぱらっと来て、あとはけっこう大きな降りになりそうだ。

 ウェット路面でのフォーメーションラップ。ターン4のブレーキングで、ランス・ストロール(アストンマーティン)がスピン、コースアウトを喫した。

ストロール:再スタートできるかな。
ベン・ミッチェル:まずはピットまで戻ってくるんだ。

 しかしグラベルを横切ろうとショートカットしたストロールは、ハマって出られなくなってしまう。

ストロール:砂にはまってしまった。

 これでスタートはやり直しに。グリッドにつこうとしたルイス・ハミルトン(メルセデス)は、ふたつ前のストロールが不在のため、混乱をきたしていた。

ハミルトン:違うグリッドについたんじゃないかな?

 13番グリッドのピエール・ガスリー(アルピーヌ)は、14番グリッドのハミルトンが自分の前にいると報告した。

ガスリー:どうしてハミルトンは、僕の前にいるわけ?

マックス・フェルスタッペン:コラピントもグリッドを間違えてるよ。
ジャンピエロ・ランビアーゼ:スタート手順がめちゃくちゃになっている。今、確認しているところだ。ここで再スタートすべきじゃなかったんだ。
フェルスタッペン:だよね。グリーンライト点灯を待たなきゃいけないのに。

 ポールシッターのランド・ノリス(マクラーレン)がエキストラフォーメーションラップと勘違いして出て行ってしまい、つられて角田裕毅(RB)を含む上位数台も出て行ったのだった。

ランビアーゼ(→フェルスタッペン):前の連中は混乱している。きみは正しい行動をしたよ。

 改めてフォーメーションラップが始まった頃には、小雨が降り出していた。

ノリス:ポツポツ降り出した。

ジョージ・ラッセル:ブレーキがうまく効かない。

 そう言いながらもジョージ・ラッセル(メルセデス)はホールショットを奪う。ノリスはまたも、ポールポジションを守れなかった。

3周目
サインツ:セクター3で大雨だ。

4周目
ランビアーゼ(→フェルスタッペン):この2、3分、強い雨が続くぞ。

 予選Q1落ちを喫したハミルトンは、レース本番でもマシン挙動の悪さに手こずっていた。

9周目
ハミルトン:ライドがすごく悪い。跳ねまくってる。

 レース序盤の混乱の下、12番手フランコ・コラピント(ウイリアムズ)にオリバー・ベアマン(ハース)が追突。これでベアマンは10秒ペナルティを科された。

スレイド:コラピントとの接触で、10秒ペナルティだ。
ベアマン:どうして? 彼はタイムロスしてないのに。

コラピント:ディフューザーをチェックしてくれ。(ベアマンが)かなり激しくぶつかってきたから。

14周目
ランビアーゼ(→フェルスタッペン):雨は30周まで続きそうだ。

 ノリスは首位ラッセルの1秒以内まで迫るが、抜ききれない。

16周目
ノリス:抜くのに手こずっている。ストレートですごく遅い。

 20周近く走り続けたインターミディエイトタイヤは、かなり摩耗が進んでいた。

18周目
ニコ・ヒュルケンベルグ:磨耗したタイヤだと、ウエット路面はすごく滑る。

 ハミルトンはこの時点でもマシン挙動に改善の兆しはなく、カルロス・サインツ(フェラーリ)、ベアマンにも抜かれて15番手まで順位を落としていた。

20周目
ハミルトン:クルマは運転できる状態じゃない。いたるところでロックアップするし、跳ねまくっている。

 26周目前後。依然として首位ラッセルを抜けずにいたノリスが、チームにアンダーカットを提案した。しかし担当エンジニアのウィル・ジョゼフは否定的だった。

ノリス:ピットインして抜いた方がいいんじゃない?
ジョゼフ:考えている。

ノリス:ピットインしようよ。
ジョゼフ:いや、抜くつもりでピットインするな。トラフィックが多すぎる。タイヤはまだいける。
ノリス:そうじゃない。雨が強くなってきたんだ。でもピットインしない方がいいんだったら、ステイアウトするよ。
ジョゼフ:このタイヤは、まだいけると思う。ステイアウトしよう。
ノリス:了解だ。

ジョゼフ:シャルル・ルクレールはピットインして、トラフィックにハマっている。

 もしこのままノリスがステイアウトしていたら、少なくとも表彰台には上がれていたことだろう。しかしノリス陣営は28周目に、ピットインの決断を下す。これが彼らの致命傷となった。
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F1第21戦無線レビュー(2)に続く

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