イヤーカフ型イヤフォンがもう手放せない 高価だがオンライン会議が多い在宅勤務で大活躍 そのワケは

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2024年11月08日 20:21  ITmedia Mobile

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「HUAWEI FreeClip」のベージュ

 筆者が近年で本当に買ってよかったと思うガジェットを挙げるとすれば、“耳をふさがないイヤフォン”は外せません。いろいろ試した上で、2024年時点でベストバイと感じているのが「HUAWEI FreeClip」という完全ワイヤレスイヤフォンです。


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 最大の特徴はイヤーカフ型であることで、抜群に良好な装着感と音楽視聴にも耐えうる音質、高機能さを兼ね備えており、さらに接続安定性もピカイチ。競合他社も頑張って追い付いてほしいと思うぐらいの完成度です。唯一のネックは価格(2万7800円)でしょうか。


●耳をふさがないイヤフォンはいろいろ試してきたが……


 イヤフォンといえば、これまで音質やノイズキャンセル性能を追い求めていた製品が多数でした。しかし、最近は音を再生しつつも周囲の環境音も聞こえるという“ながら聴き”スタイルの製品が人気で、各社から製品が多数登場しています。いずれも音に没入するのではなく、周囲の音と同時に聞けるのがメリットです。


 こうしたコンセプトのイヤフォンは、2017年にソニーも参加しているスタートアップのambieがイヤーカフ型の有線イヤフォンを製品として世に出してから認知され始めたように思いますが、当時は耳の奥に差し込まない設計ゆえに音質に迫力がなかったり、装着が難しかったりで、「快適さを求めるなら、何かを諦める必要がある」という印象をユーザーに与えるものでした。


 その後、AppleのAirPods Proが搭載していた「外部音取り込みモード」によってイヤフォンを装着したまま周囲の音が聞こえるという価値が再認識されたり、オンライン会議の急増によって「長時間装着しても負担が少なく、自分の声が自然に聞こえるので話しやすい」といったイヤフォンのニーズが拡大し、“元祖・耳をふさがない”かもしれないShokzの骨伝導イヤフォンが注目されたりなど、この数年でイヤフォンのトレンドは大きく変化したといっても過言ではないでしょう。


 そして、そうした流れを経て今熱いのが、耳をふさがないオープンイヤー型のイヤフォンというわけです。筆者も耳をふさがないイヤフォンの快適さに感銘を受け、「ほぼ1日使えるバッテリー」「耳が痛くならない装着感」「そこそこ満足できる音質」という観点でベストな製品を模索し続けてきました。


●この製品カテゴリーはイヤーカフ型が正解ではないだろうか


 各社、本当に頑張って耳の穴に突っ込まなくても良い音で聞けるものを作ろうとしているのが、さまざまな製品から伝わってきて“マジリスペクト”ではあるのですが、HUAWEI FreeClipが採用したイヤーカフ型の装着感が頭一つ抜けています。


 イヤーカフのように耳たぶの少し上に挟んで装着するのですが、ベストポジションだと装着している感じがほぼなく、筆者の場合は実際に8時間装着しっぱなしでも不快感や痛みが出なかったのです。


 これまで耳掛け式を採用する耳をふさがないオープンイヤー型も十分に快適だと思っていたのですが、さすがに8時間ぐらい装着すると耳掛けの部分が痛くなっていました。そうした経験があったからこそ、HUAWEI FreeClipの装着感には感動を覚えます。「まるで耳に何も着けていないかのよう」──とまでは言わないでおきますが、耳に何かを装着している負担が少ないのに、PCやスマホから音声を再生すると耳に回りから音が聞こえてくるという不思議な感覚を味わえます。


●HUAWEI FreeClipの具体的に推せるところは?


 HUAWEI FreeClipをここまで評価しているのは「快適な装着感だけにあらず」という部分も大きいです。実際にしばらくの間使ってみて感じたのですが、イヤーカフ型とは思えない音質、実際に約8時間持つバッテリー性能、2台同時接続できるマルチポイントの安定動作、多機能さ、ワイヤレス充電対応の充電ケースといった、完全ワイヤレスイヤフォンに求める機能を一通りそろえ、しかもクオリティーがどれも非常に高いところにあります。それぞれ(ほぼ)一問一答形式で紹介します。


イヤーカフ型とは思えない音質


 イヤーカフ型で音は不利かと思いきや、耳をふさがないオープンイヤー型イヤフォンでトップを争えるレベルの音が出ます。約10.8mmのデュアルマグネットダイナミックドライバーを搭載している効果なのか、不足しがちな低音もしっかりと感じられます。


 オンライン会議の通話では十二分すぎるほど、専用アプリでイコライザー設定も用意されているので、軽い音楽鑑賞や動画視聴も、ながら聴きにはばっちりです。


実際に約8時間持つバッテリー性能


 筆者はヒアラブルデバイスとしてイヤフォンを装着しっぱなしにする用途において、イヤフォン単体でのバッテリー駆動時間がかなり重要だと思っています。バッテリーケースに収納して小まめに充電するのは面倒です。


 HUAWEI FreeClipは小さなボディーでありながら、実測で約8時間ほど連続で使い続けることができました。欲を言えば約10時間を突破してくれるともっとうれしいのですが、サイズ的に限界でしょうか。


スマホとPC、マルチポイントがスムーズに動作する


 HUAWEI FreeClipはマルチポイントによる2台同時接続に対応しています。iPhoneとPCに接続してみましたが、音が出ているデバイスに対して機敏に切り替わります。たまに切り替わりがスムーズでない製品もある中で、当たり前に動作するという安定感がありました。耳をふさがないイヤフォンでマルチポイント対応は本当に便利です。


充実の多機能


 まだまだあります。「左右の自動識別(左右のイヤフォン本体を耳のどちらに装着、またはケースに収納してもOK)」「逆音波システムによる音漏れ防止」「ノイズリダクション付き高性能マイク」「タッチコントロール」「IP54の防塵(じん)防滴性能」「ワイヤレス充電対応バッテリーケース」「低遅延モード」など、完全ワイヤレスイヤフォンに求める機能をほぼ搭載しており、「あれがなくて惜しい!」というものが見当たりません。


●褒めすぎたので……しばらく使って気になったところもある


 とても気に入っているので予備の2台目を買おうか迷っているところですが、しばらく使っていて気になったところもありました。1つは本体を充電ケースに収納したときに、充電用の接点にうまく当たらず充電し損ねていた場面がありました。


充電ケースの接点がシビア?


 イヤフォンをケースの収納部分に近づけるとマグネットで吸着されるのですが、それでも接点が小さくて少々シビアなようです。接点が触れないとケースに収納した扱いにならないようで、イヤフォンをケースに入れたにもかかわらず、スマホの音声出力がBluetoothで接続されたままという場合に何度か遭遇しています。


 私の製品だけかもしれませんが、イヤフォンを収納するときはちゃんと充電が始まっているかよく確認するようにしています。


アクセサリーのイヤーカフに見間違えられそう


 HUAWEI FreeClipはイヤーカフという形状の都合上、はたから見るとアクセサリーのように見えます。特にパープルとブラックはカメラ越しでも目立ってしまうかもしれません。「自分はイヤーカフを着けるキャラじゃないのに勘違いされたくない」と思う人もいるでしょう。


 そうした声があったからか、後から本体カラーにベージュが追加されました。変に目立ちたくないならベージュがおすすめです。


価格が高い


 HUAWEI FreeClipの価格は直販で2万7800円という設定です。完全ワイヤレスイヤフォンはバッテリーありきの製品なので、一生使い続けられるわけではありません。毎日使う場合は数年でバッテリー性能が劣化してしまう場合もあるでしょう。


 耳の穴をふさがないイヤフォンが欲しいという方は私の周囲にも結構いるのですが、ガジェットに興味がない層にこの価格帯は勧めづらいです。


 筆者もイヤーカフ型で他の製品をいくつか試してみたのですが、なかなか安価な製品でおすすめできるものに遭遇できていません。現状、「高価だがHUAWEI FreeClipのように製品クオリティーが高い」と「安価だが製品クオリティーが著しく低い(ノーブランド品など)」の2択という状況です。


 1万円台でもう少しクオリティーが高い製品が出ないものか……。HUAWEI FreeClipを超える製品が各社から登場するのを心待ちにしています。


 HUAWEI FreeClipに対抗できるライバルとして、「Bose Ultra Open Earbuds」もよく名前が挙がるのですが、価格が……!



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