トランプ陣営に183億円献金 “蜜月”イーロン・マスク氏 要職か? 「AI運転」など利益相反の懸念も【Nスタ解説】

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2024年11月08日 21:46  TBS NEWS DIG

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次期トランプ政権の政策などが早くも話題となるなか、選挙戦でトランプ氏を支援してきた実業家のイーロン・マスク氏がどう政権に関わってくるのか、注目されています。

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トランプ政権 イーロン・マスク氏を要職に起用か

南波雅俊キャスター:
アメリカ大統領選でトランプ氏を支援してきたイーロン・マスク氏についてです。

トランプ氏は、「新たなスターの誕生だ!イーロンだ!我々の天才を守らないといけない」と話しました。演説は25分間でしたが、イーロン・マスク氏について3分50秒という時間をとって演説をしました。

政府の無駄な支出を削減する新組織「政府効率化委員会」のトップに起用したいと示唆しています。

イーロン・マスク氏は10月27日に行ったトランプ氏への応援演説の中で、「現政府の約1000兆円の予算をどのくらい削減できるか」と問われ、「皆さんのお金は無駄遣いされている。私なら300兆円削減できる」と答えています。

実業家のイーロン・マスク氏ですが…

▼電気自動車(EV)大手「テスラ」CEO
▼宇宙開発を牽引 「スペースX」CEO
▼「X(旧Twitter)」のオーナー(自身のフォロワー数は約2億人で世界最多)
▼AI開発会社「xAI」設立 代表

総資産は約41兆円で、“世界一の大富豪”とも言われています。

イーロン・マスク氏がトランプ氏にどのような支援をしてきたのかみていきます。

明確に支持を表明したのは7月のトランプ氏の「暗殺未遂事件」後です。トランプ氏の支援団体に約183億円を献金しています。そして、“激戦州”の登録有権者1人に毎日約1億5300万円を贈呈しました。

イーロン・マスク氏の支持、きっかけは長男「ジュニア氏」

日比麻音子キャスター:
支持を超える強力なバックアップのようにも見えます。そもそもイーロン・マスク氏は民主党を支持していたのに、なぜここまでトランプ氏を支持するのでしょうか?

明海大学教授 小谷哲男さん:
直接のきっかけは、トランプ氏の長男・ジュニア氏がシリコンバレーの資金を集めている中でイーロン・マスク氏と知り合い、その中でトランプ氏の支持に呼び込んだということがあるようですが、おそらく政治的な意図というよりは、自らのビジネスを拡大していく上で、トランプ氏の影響力を利用したかったというところではないかなと思います。

日比キャスター:
実際にテスラの株は一時13%上がりましたが、これもこの影響と見ていいのでしょうか?

明海大学教授 小谷哲男さん:
トランプ氏は元々、電気自動車に対しては否定的な見方だったので、本来であればトランプ氏が大統領選に勝つと電気自動車の関連株は下がるはずです。

実際に気候変動に関わるソーラーパネルの会社などの株は下がってるわけですが、テスラだけ上がったというのは、やはりトランプ氏とイーロン・マスク氏の関係が深いということを投資家は知っていて、今回、投資がされたということです。まさにビジネスの拡大に繋がっているということです。

Twitter(現「X」)の買収はトランプ氏のため?

南波キャスター:
Twitter買収の動きについてです。

2021年1月の議会襲撃事件を受けて、トランプ氏のTwitter(現「X」)のアカウントは永久停止となっていました。

2022年10月にイーロン・マスク氏がTwitter(現「X」)を買収して「X」になりました。

その約1か月後、2022年11月にはトランプ氏のアカウント停止を解除していました。

この頃からある程度の関係はあったのでしょうか?

小谷さん:
2021年頃にジュニア氏とイーロン・マスク氏の関係ができたと言われているので、時期的には符合すると思います。

一方で、イーロン・マスク氏は「『言論の自由』を重視する」と言っているので、「発言によってアカウントが凍結されていることは良くない」という思想的な側面もあったのかもしれません。

アメリカ大統領選挙 最大の勝者はイーロン・マスク氏?

南波キャスター:
今回の選挙に関して、アメリカ・CNNの専門家は「テスラとイーロン・マスク氏が選挙戦における“最大の勝者”」とコメントしています。「トランプ氏の勝利によって、テスラが求める自動運転技術の承認が早まる」という見方もあるようです。

小谷さん:
イーロン・マスク氏の一番の関心は「規制緩和」だと思います。規制緩和によって自動運転技術の規制やAIの規制をできるだけ排除して、自らのビジネスを拡大したいということだと思います。

実際にイーロン・マスク氏が政府に入るかどうかですが、政府に入ると兼業ができないので今のポジションを下りないといけません。

政府外の立場で、委員会などでアドバイザー的な役割を果たすということはあるでしょうし、あるいは自分の部下を一旦辞めさせて、政府に送り込み、規制緩和をやることで自らのビジネスに貢献する可能性があります。

そこは利益相反の疑いがでてきますが、今のアメリカの政治環境であれば大丈夫だと思います。

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<プロフィール>
小谷哲男さん
明海大学教授 アメリカの外交・安全保障政策に詳しい
日本国際問題研究所 主任研究員

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