【競馬予想】GIエリザベス女王杯は特大万馬券も夢ではない――高額配当の使者はこの2頭

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2024年11月10日 07:10  webスポルティーバ

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 秋の女王決定戦、GIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)が11月10日に行なわれる。

「穴党にとって、特大万馬券も夢ではない、胸が躍るレースと言えるでしょう」

 そう語るのは、日刊スポーツの奥田隼人記者だ。

 確かに、エリザベス女王杯と言えば、サンドピアリスの単勝430倍強(1989年)や、11番人気のクィーンスプマンテと12番人気のテイエムプリキュアによるワンツーフィニッシュ(2009年)など、超ド級の大波乱が起こってきた歴史がある。近年でも、2021年に10番人気のアカイイトが勝利し、2着に7番人気のステラリア、3着に9番人気のクラヴェルが入って、3連単の配当が300万円超えという超万馬券が飛び出している。

 奥田記者は今年も、そういった大波乱があっても不思議ではないという。

「過去10年の成績を見ると、1番人気はわずか2勝。そのほか、2着が2回、3着も2回あることを考えるとまずまずと言えるかもしれませんが、その信頼度は決して高くはありません。そして今年、1番人気が予想されるのはレガレイラ(牝3歳)。スタートなど不安要素が多いです。

 おかげで、今年は栗東トレセンで取材しているのですが、各陣営からは『混戦』『どの馬にもチャンスがある』といった声をよく耳にします。ペースや展開次第では"エリザベス女王杯らしい"大荒れの可能性は大いにあるのではないでしょうか」

 そこで、奥田記者は波乱の立役者となる2頭の穴馬候補をピックアップした。1頭目は、昨年のレースで3着だったハーパー(牝4歳)だ。

「名門・友道康夫厩舎が送り出す素質馬。昨年は、GIIIクイーンC(東京・芝1600m)で重賞制覇を果たし、以降もGI桜花賞(阪神・芝1600m)4着、GIオークス(東京・芝2400m)2着、GI秋華賞(京都・芝2000m)3着と、牝馬三冠レースで安定した成績を残しました。

 古馬と初対戦となったエリザベス女王杯でも、勝ち馬からコンマ2秒差の3着と好走。年末には、現役トップクラスの牡馬も相手となるGI有馬記念(中山・芝2500m)にも挑戦。9着ながら勝ち馬からコンマ7秒差と、十分に評価できる内容でした。

 ただ、飛躍が期待された今年は、GI大阪杯(13着。3月31日/阪神・芝2000m)、GIヴィクトリアマイル(15着。5月12日/東京・芝1600m)と、春の2戦はふた桁着順の惨敗。友道調教師は『春は出来があまりよくなかった』と振り返っています。

 その後、夏は休養に当てて、今秋に向けてはしっかり立て直しを図ってきました。迎えた秋初戦、前走のGII府中牝馬S(10月14日/東京・芝1800m)は15着。思わぬ大敗を喫しましたが、友道調教師は『前走は動きもよく、体も増えていたので自信を持っていったら、あの感じだったので......。気持ちの問題かもしれないね』と冷静に分析していました。

 そうしたことを踏まえて、今回は初めてブリンカーを着用してレースに臨みます。そして、ブリンカーを試した1週前追い切りでは、3頭併せで他2頭を4馬身ぶっちぎる豪快な動きを披露。『もともと調教は動く馬だけど、この秋は特に動いている。競馬にいくと自分からやめるような面があるので、ブリンカーが利いてくれれば』と、友道調教師もその効果に期待しています。

 今回のメンバーでは、実績上位の存在。初ブリンカーで一変があってもおかしくないですし、一発への期待は膨らむばかりです」

 奥田記者が推奨するもう1頭は、キミノナハマリア(牝4歳)だ。

「ハーパーと同世代の4歳馬。こちらは、昨年のオークスでGI初出走を果たしましたが、18着に終わりました。その後は、自己条件のレースで経験を積みながら地力強化。今年に入ってから2勝クラス、3勝クラスを勝ち上がってオープン入りを決めました。昇級初戦となった前走のリステッド競走・札幌日経オープン(8月3日/札幌・芝2600m)でも、牡馬相手に3着と健闘しています。

 同馬の武器は、何と言っても荒れた馬場への適性の高さでしょう。ここまで良馬場以外のレースでは、5戦3勝、3着1回、4着1回。今年の京都は年末までのロングラン開催で、芝は先週末の豪雨などの影響もあってか、明らかに時計のかかる馬場になっています。もしひと雨あれば、かなり不気味な存在となり得ます。

 管理する千田輝彦調教師も、『時計勝負のヨーイドンといった競馬より、馬場は渋れば渋るほどいい。ドボドボになれば無敵だと思うね。良馬場でも、ほかの馬が苦にするような荒れた馬場なら、いいと思う』と道悪巧者ぶりを強調し、色気を見せていました。

 今回はおよそ3カ月ぶりの実戦になりますが、状態面はよさそう。『休み明けのほうが元気がいいし、追い切りもしっかりやれている。前走も2600mの距離がどうかと思ったけどよく頑張ったし、ジョッキー(鮫島克駿騎手)も2200mは持つと言ってくれている』と千田調教師。

 昨年のオークス以来、2度目のGI参戦ですが、当時より成長しているのは確か。高配当の使者として、アッと言わせてくれるかもしれません」

 波乱ムードが充満しているエリザベス女王杯。人気のレガレイラを出し抜いて、特大の万馬券をもたらしてくれるのはどの馬か。胸高鳴るゲートインまで、まもなくである。

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